2008年11月14日

第23回 ゆかちゃんと私

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ゆかちゃんと私のツーショット、髪型がおそろいでご機嫌の私です。

人は10年に一度人生を大きく変える人に出会うと聞いた。私にとってその存在は小学校3年生の時にエレクトーンを習った良子先生。

先生に初めて会ったのは、わたしが9歳の時。その当時先生は24歳くらいだったかな。場所は四国の高松市。たまたま父の転勤で高松に行くことになり、市街地にあるヤマハの音楽センターに行ったら、良子先生に教えてもらうことになった。先生がいろんなメロディーを私に吹き込んでくれたおかげで、その年初めてのオリジナル曲を書いた。街角というタイトルで今でも発表会で弾いた時のことを鮮明に覚えてる。今みたいにビデオとかなかったけど、ああゆうのをyou tubeとかでみることができたら、ほんとに懐かしいだろうなぁ。先生には2年間習って、またもや父の転勤で、引っ越すことになり、5年生でお別れした。

が、そのあともずっと手紙や電話で連絡をとり続け、結局次ぎに会ったのは私が21歳の時。先生と先生の彼が金沢まで遊びにきてくれた。その当時、ピアノの講師になったもののいまいち自分の仕事にピンと来ていなくてなんとなくストレスをかかえた毎日だった。
おまけに、病気をして身体の調子も良くなくて、落ち込み気味のわたしだった。そこで先生の言葉が「何日本なんかでグズグズしてんのよ。アメリカに行きなさいっ!」だった。あの先生の言葉が無かったら今の自分はない、と思うと先生は私の人生を大きく変えた人だなぁ、としみじみ思う。

さて、ではタイトルのゆかちゃんは誰かということだが、彼女は約6ヶ月前に友人を通して出会った子だ。初めてゆかちゃんに会ったのはわたしがロスのとあるライブハウスで演奏した時。ゆかちゃんは私の友人に連れられてそのライブを見に来てくれた。演奏が終わって、彼女に紹介されたわたし。変な話だが、一目見たとたんにほれてしまったのだ。(といっても私はレズビアンではありません)シンガーとしてこっちの学校に勉強にきたゆかちゃん。ひたむきな目が昔の私とそっくりだった。自分で自分を見ているようで、会ったとたんに好きになってしまった。

それからは、ゆかちゃんに何かしてあげたくて、自分の演奏している教会のコーラス隊に入れてもらっていろいろライブの経験をさせてあげたり、とにかくいろんな人に紹介してあげてなるべく彼女のロス生活を楽しくさせてあげようとがんばった。教会で歌うということで毎週日曜日は必ず一緒に過ごせるのがとっても楽しみで、私の今までのいろんな経験話をしてあげたら、いつも笑っていた。6ヶ月の間には、かわいいので、あとからあとからいろんな男の人に言い寄られるゆかちゃんの恋愛相談にものってあげて、私はそのうち、電話の相談は1分100円とか冗談でいっていた。なにしろ私もだてに3回結婚してないから。。。たいがいの相談には対応できる。。(ちょっと自慢している)

ゆかちゃんは実は昨日カナダへ旅だって行った。最終的には日本に帰ってゴスペル音楽を子供に教えたいとのこと。歌に対する情熱でいっぱいなのだ。最後の記念に彼女のために2曲プロデュースをしてあげた。アメイジング.グレースと上を向いて歩こうの2曲。アメイジング・グレイスは私のピアノのソロにあわせたバラードでフレージングからダイナミックの付け方まで細かく指導させてもらった。これはあとからゆかちゃんに聞いたのだが、レコーディング中感動で何度も泣きそうになってしまったらしい。そんなこととは知らず、私はああしろ、こうしろ、とうるさく言わせてもらった。その甲斐もあって、曲のできばえは、そうだなぁ、100点満点の85点。あとはこれからゆかちゃんにいろんな経験を積んでもらって自然に残りの15点分はついてくるという感じかな。2曲目の“上を向いて歩こう”は、けっこうロマンチックでジャジーなアレンジでちょっとゆかちゃんの違った部分を引き出そうとした。一生懸命歌うっていうより、フワッと歌う感じ。この曲もかなり完成度が高い。

最後はゆかちゃんのお別れ会を主催し、教会のみんなや友人など25人ほどうちに呼んでみんなに日本食を食べてもらい、ミニコンサートをした。ハイライトは彼女の好きなヴォーカルグループ「ALL 4 ONE」のジェイミーがパーティに来てくれて、彼女がゴスペル音楽をするきっかけになった「FEAR NO MORE」という曲をプレゼントする場面だったが、アカペラの曲のソプラノパートを担当した私は、感動で泣いているゆかちゃんからのもらい泣きで曲の半分はうまく歌えなかった。本当に残念。。。。

こうやって、良子先生にいっぱいお世話になった私も今度はめぐりめぐって、若い人をサポートする立場になった。。。お別れ会で歌っている彼女を見てしみじみ思った。ゆかちゃんにいつも「なんてお礼をしていいかわかりません。」と感謝されるたびに、「お礼なんかいいから、またいつかあなたもこうやって誰かを助けてあげてね。」と言った。いやー、私も本当に年をとったということか。我ながら、なんてりっぱなんだろう。。。。(笑)それにこんな風に人を大切にしていたら、絶対神様が見ていてご褒美をくれると思う。例えば、私の上の息子もわたしから巣立ったあとに、きっとこうやって誰かにお世話になるに違いないし。。。。それにしても人と人との出会いは本当に素晴らしいと思う。彼女をもともと紹介してくれた友人いわく、私はゆかちゃんにとって『10年に1度しか会わない人生を大きく変える人』らしい。とっても誇らしいことだ。

ゆかちゃん、これからもずっと今のままかわいく、素直で、それでいて頑固で自分の欲しいものを追求するハングリー精神を忘れず、

歌を歌う時はいつもハートから歌ってね。なんか注文が多いけどあなたならできるよ。。。大物になって日本で会った時、おいしい神戸牛をごちそうしてね。(なんで神戸牛かはよくわかりませんが。)ということで、写真も何点か見てくださいね。
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教会で歌っているゆかちゃん、彼女の好きなジェイミーが熱唱。

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ジェイミーと奥さんのハナさんと記念写真。

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教会のみんなとグループショット。

Noriko Olling
www.norikoolling.com
www.myspace.com/norikoolling

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