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Full Up


京都府京都市

鎌田店長

子供の頃よく行った楽器店を思い出します。小さな店なんだけど、入りやすい店で、そこへ行けば必ずいつもの店長がいて、分からないことを全部親切に教えてくれる。気がついたらその店で長い時間を過してしまう。ミュージシャンにとって本当に安らぐ店、そしていつも新しい情報がある店、Full Upはそんな店です。

PCI:フルアップさんのオープンはいつのことでしたか?

鎌田:今から7年前です。 

PCI:鎌田さんがオーナーで1人でお店をやってるんですね?

鎌田:そうです。 

PCI:その前は何をされてたんですか?

鎌田:河原町の楽器店で10年間働きました。バンドブームの後で商品も落ち着いて来て、まぁ売れりゃいいという物ばかりが並ぶ様になりました。それに伴ってお客さんも、何かと何かをして、それから楽器もするよって感じになってきたんです。 

PCI:楽器という趣味の優先順位が下がって来たんですね。 

鎌田:そうですね。最初は僕もミュージシャンになりたくて楽器を始めたんですが、年を取るごとに「やっぱり無理かな?」って気持ちになって行きました。結婚したり子供が出来たりすると。 

PCI:よく分ります。 

鎌田:それだったら完全に諦めるんじゃなくて、若い子達に知っていることをどんどん伝えて行って彼等を自分より前に出してあげようっていう気持ちがすごいあったんです。でも、そういう気持ちが若い子達に全然無くなって来て、それならもう楽器店は辞めて本当に自分が音楽を楽しもうと思ったんです。サラリーマンになってお金を稼いで自分で楽器を買おうと思って店を辞めたんです。自分で店をやるつもりで楽器店を辞めた訳ではなかったんですよ。

PCI:そうだったんですか。それがどうして自分で店をやることになったのでしょうか?

鎌田:ある時、以前のお客さんから電話がかかって来て、「ギターを買いたいので、一緒に来てくれ。」って言うんです。家まで車で来て僕は無理矢理連れていかれて楽器屋を3軒くらい回ったんです。あれどう、これどう、あれどうって。。。 お客さん、自分では決めないんです。僕だけが全部のギターを弾いて「これは、こうやった。」、「あれは、こうやった。」って僕が言うんです。そして最後に「これがいいと思う。」って言ったら、「ほなそれ買うわ。」って、そのお客さん自分では一切試さずに僕が勧めたギターを買ったんです。

PCI:鎌田さんを信じきっているんですね。

鎌田:それやったら自分で18歳の時に夢やった楽器店を開いてみて、ダメやったらダメでいいかって思ったんです。

PCI:若い頃から楽器店をやりたいという夢があったんですね?

鎌田:そうです。ミュージシャンになりたいと思う傍ら、楽器店へ行ってたら店の人がおかしいっていうか何か天狗でね。ひどい扱いされてたんで、「そうじゃない。」と、もっと教えてあげるという姿勢が店員さんに必要だと思ったんです。それを是非自分でやりたいなって思ってたんです。ミュージシャンにもなりたいけど楽器屋もやりたいとはずっと思っていました。 

PCI:この不況の7年間続けて来られたのは素晴らしいことだと敬服します。 

鎌田:ありがとうございます。でも、前勤めていた楽器店のお客さんを引っ張ろうとする様なことは全然やってないんですよ。 

PCI:特にこの場所を選んだ理由は?

鎌田:僕はもうちょっと北の方に住んでいて、いつも河原町の楽器店までバスで通っていたんです。京大が近所にあって、芸大もあって、この高野って所は大学生の住み家なんですよね。下宿先が一杯あって、この辺りは昔から憧れていました。 

PCI:敢て狙ってここを選んだんですね。

鎌田:そう、狙ってました。通りからはちょっと見にくいんですけども、車もたくさん停められますし便利です。

PCI:店の前に市営の駐車スペースがあるんですね。

鎌田:そうなんです。やはりハードケースでギターを買うとバイクや自転車では運ぶのは無理ですからね。それから大学生って河原町の方まで行きにくいんですよ。京大生ってイメージしてもらうと分るかもしれませんが、ゲタ履いて汚いズボンを履いてプラプラしてるんですよ。そういう感覚でギターを見に来てもらっています。

PCI:お客さんは大学生が多いんですか?

鎌田:大学生は確かに多いです。だけどここがまたうちの面白い所で、僕はどっちかというとブルースとかが好きなんですけど、お客さんを決めないんです。育てようっていう気持ちがやっぱりどうしてもあるんで、売って「はい、さようなら。」っていうのも儲かるんですけど、うちの場合は売ってわざとちょっと分んない様にしておいて、質問するために帰って来てもらう様にしておくんです。何度も会ってどんどんどんどん育てながらその人をミュージシャンにしたいっていう気持ちがあるんです。だから高校生、中学生も来るし教室には小学生も来ます。

PCI:ギター教室もやってるんですか?

鎌田:はい。ここのブースでやってます。 

PCI:主力製品はお店を見るとギター、アンプ、エフェクターが中心なんですね?

鎌田:並んでいるのはそうですが、実際はサックスも売ってるしサックス教室もやってます。またピアノも売ってますよ。夜はピアノの配達もやってます。。

PCI:LM関係全般を扱ってるんですね?ギターのリペアもやってるんですか?

鎌田:はい。ここに置いてある楽器も持ち込まれる中古もリペアの依頼も全て僕がやっています。

PCI:前のお店に勤めていた時からリペアの経験があったんですね?

鎌田:そうなんです。ムーンとかシェクターとかハイエンドの楽器が好きだったんで、メーカーの人達と交流がたくさんあったんです。PCIの「ピックアップ交換キャンペーン」で登場する野澤さんにはお世話になって色々教えて頂きました。 

PCI:最近リペアの要望は多いんでしょうか?

鎌田:メチャクチャ多いですね。 

PCI:どの楽器店さんでも言われますが、今までに大量に売られた楽器が今リペアが必要な時期に入ったんでしょうか?あるいは景気が悪いので、新しく買うのではなく持っている物をアップグレードするという傾向なのでしょうか?

鎌田:それもありますけど、やっぱりお店の対応も原因じゃないかと思います。例えば、多くの店へ行ってギブソンのペグが折れたんだけどなんとかしてくれませんか?と言っても対応してくれないそうです。日本の代理店に電話しても、純正部品はいつ入るのか分らないということ。それでペグを針金などで補強、固定して、取りあえずしばらく使える様にしてあげるんです。これで純正部品が入るのを待っててって。明日ライブがあるのになんとかしなきゃお客さんは困りますよね。こういう対応は多くの店ではやってくれませんね。

PCI:この不況も相まってどこでもカスタマーサービスが低下しているのかもしれませんね。そこにニッチな市場がありそうですね。

鎌田:前にいた楽器店さんではこんなことがよくありました。1人のお客さんに楽器を売ってその人がこれ分んないと言って戻って来た時、その方の相手をするよりも、もう次に実際に商品を買いに来ている新しいお客さんに対応しろということになるんです。一人一人のお客さんへの対応が中途半端になってしまうんです。

PCI:一人一人のお客さんをとことんサポートしていては、店側から見れば効率よくありませんからね。

鎌田:楽器店に勤めていた時はその辺のジレンマがいつもありました。

PCI:そういう意味では、ここでは鎌田さんの思う通りに一人一人のお客さんを納得の行くまできっちりサポート出来るんですね。

鎌田:その通りです。 

PCI:特に最近のお気に入りの商品はなんでしょうか?

鎌田:Xotic Effectsはいいですね。特にPCIのWeb Videoはインパクトありました。僕は自分でまずあのビデオにある通り試して見てそれを店で実演してみたんです。速攻でAC Booster、RC Boosterが売れました。効果絶大ですね。あのビデオはアメリカの匂いがしますね。Michael ThompsonPaul Jackson Jr.が全く同じエフェクターを使っているのに完全に自分の音にしています。 

PCI:2人のデモ演奏は好対照でしたね。

鎌田:本当に面白いビデオです。 

PCI:ピックアップの交換もよくされるということですが?

鎌田:Xotic Pickupも付けましたしSweetSpotも付けましたよ。両方ビックリしましたね。本当にいい物です。

PCI:気に入って頂き嬉しく思います。鎌田さんは今でもギターをよく弾くんですか?

鎌田:店をやってると忙しいのでバンド活動までは出来ませんがよく呼んでもらってライブで弾いてます。

PCI:どんな音楽をやるんですか?

鎌田:ブルースとかソウルですね。ブラックミュージックが多いです。

 

PCI:特に好きなアーティストは?

鎌田:コーネル・デュプリーとかBB Kingは大好きです。後オーティス・ラッシュとか。

PCI:よく聴く音楽もそういうジャンルですか?

鎌田:そうですね。楽器と一緒でホットなやつ、熱いやつが好きですね。ボブ・マーリーも好きで家まで行きましたからね。

PCI:ジャマイカまで? アメリカにもよく来られるんですか?

鎌田:今はもう時間が取れなくて行けませんが、前は好きでよく行ってました。実は北山っていうおしゃれな町があるんですけど、そこの新しいライブハウス、モジョ・ウエストっていう所で今度ギターを弾きます。昔西部講堂のブッキングをやってみえた有名な木村さんと言う方がブッキングを行っているライブハウスです。毎週水曜日がブルースDay なんです。

PCI:ブルースをやってる人も皆東京へ行っちゃったんですよね?

鎌田:でも塩次伸二さんという元ウエストロード・ブルースバンドの名ギタリストは、京都に戻って活動してくれてるんですよ。

PCI:塩次さんとはお知り合いなんですか?

鎌田:ちょっとした繋がりがあります。ジョー・バーデンギターDr. Z AmpXotic Effectsなどを気に入って頂いた様なので、今度インタビューを一緒にやりましょう。

PCI:ありがとうございます。実はアメリカ在住のトモ藤田さんというバークリー音楽院・助教授のギタリストの方とも知り合いなんですが、彼もXotic Effectsを気に入って頂き、友人である塩次さんに勧めて頂いたそうです。色々な所で人間関係って繋がっていますよね。それでは最後に、PCIサイトの読者にメッセージをお願いします。

鎌田:やっぱり色々な意味で枠を越えることが大事だと思います。バンドブームの後、何か枠の様な物が出来ちゃった気がするんです。若い学生が初めてギターを持ち「ゆず」をやりました。さぁ、その次はオリジナルをやるって思ってるんです。どこからオリジナルが出てくるんかという気になるんです。やっぱり古い物も含めて色んな音楽を聴いて、こういう物があって今の「ゆず」の音楽も出来て来たんだな、そして自分はこういうオリジナルをしよう、っていうのなら分るんですけど。 

PCI:なるほど。若い人達には、もっと色んな音楽を聴いて欲しいということですね。 

鎌田:僕達はそういうことを喋って若い人達に教えて行かなきゃダメだと思っています。そしてそういうことを喋りながら、それにつながる商品を用意していくっていうのがうちの売りかな。そういう商品を是非揃えて行きたいと思っています。

PCI:冒頭に言われた様に、ここからミュージシャンを育てて行こうというポリシーですね。

鎌田:そうですね。楽器についても値段が高いからいい、安いから悪いというのではなく、安い物でもいい物はあります。一方で高い物でも本当にひどい物がたくさんあるんです。いい物はいい、悪い物は悪いとちゃんと教えてあげたいと思っています。一番言いたいことは、売って終りって言うんじゃなくて、使って見てその後どうってお客さんとずっと付きあって行きたいということです。 

PCI:Full Upホームページのヒット数も急上昇中との事ですので、京都のお客さんだけでなく同じことが日本全国のお客さんにも出来る可能性がありますね。

鎌田:そうなんですよ。そしてそういうお客さんからの声をちゃんと聞いてくれるPCI の様なメーカーや問屋さんも増えて欲しいんです。

PCI:頑張ります。 

鎌田:お客さんの心にこだわりたいんです。子供が来たらその子供がどう思っているかっていうことを知りたいし、おっちゃんが来たら、おっちゃんがどういう所にこだわっているかを知りたいんです。 

PCI:さっきも年配のギタリストとおぼしき方が来て、「かまちゃん、何か面白い話ない?」ってしばらく店にいましたが、私がインタビューをしていたので帰られてしまいました。ああやって来られる常連さんが多いんですね。

鎌田:そうなんです。さっきの人は京都でも3本の指に入る上手いジャズギタリストです。 

PCI:地元のミュージシャンの方々とも密着しつつ、今後ウエッブサイトを通じて店のポリシーを京都以外にも発信して発展される計画なんですね?

鎌田:そうです。通信販売の場合は直接物を手渡せないので、商品と一緒に手書きで、「これはこうで、ああで、僕はこう思うし、この商品にはこういうこともありましたよ。」って言う手紙を書いてサインして送るんですよ。 

PCI:それは受け取った人も喜ばれるでしょうね。

鎌田:返事の手紙を頂いたりして、リアクションが楽しみです。

PCI:是非我々の商品に対してもリアクションやフィードバックがあれば教えてください。ご批判大歓迎ですので。

鎌田:もちろんです。結構京都って昔の言い方で言うと閉鎖的な所があるんです。だから店としてはこの場所を選んだんです。学生さんが多いので彼らは色々な場所から来てますからね。 

PCI:なるほど。京都の中でもここは比較的オープンな場所なんですね。 

鎌田:そうんなんです。なんとか京都のそういう部分も改善出来ればいいと思っています。

PCI:今後の展開が楽しみですね。PCIも全面的に協力させて頂きます。今日は長い間本当にありがとうございました。(9/15/2003)

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