« 第30回目:Life Goes On | メイン | 第32回目 肩は痛いが心は熱い »

2005年12月31日

第31回目 POWERFUL !!

皆さん、ご無沙汰しています。お元気ですか?
2005年も、あと残り僅かですね。
今年は津波や地震など、天災に見舞われた年でした。
多くの命が失われたその反面、人々は、心をひとつに、
そして力を合わせて助け合う事を学んだと思います。

私の2005年は、10月に始まりました。:)
何かパキッと殻が割れたように、
My Universeが軌道し始めたんです。

先日友人に『何がきっかけだったの?』と聞かれました。
まずは、ペプシコーラのコマーシャルのオーディション
に受かった事。それで断然気分が明るくなりました。
やはり人生、明るい話題がちょっとはないと
生きて行けませんものね。
背中をふっと押してくれる、そういう出来事が!

実はこのオーディションには、私のエージェントは
私を送り込んでくれませんでした。
電話で直々にお願いしたのですが、電話の向こうから
ヘッドエージェントの声が。 『君は年をとり過ぎ!』
むかつきましたよ。
彼こそが、私が年より若く見えすぎるから 
”何とか年相応に見える写真を撮ってくれ。”
とお願いして来た張本人。
ところが、いざ若い役のオーディションとなったら、
見向きもしてくれません。
しかも、"Japanese Actors Only "の
オーディションなのにですよーー。
私は電話をがしゃんと切ってコンピューターに向かい、
自分で自分を応募させました。
すると、数時間後にキャスティングディレクターから
オーディションに来て下さいとのメールが。

コールバックオーディション(最終オーディション)
を経て、多くの人々の中から主要キャストの
ひとりに選ばれたときはびっくりしました。
コマーシャルオーディションに受かる事の大変さは、
役者達、当人達が一番よく理解しています。
『まるで宝くじを当てるようなものだね。』なんて、
たまにおしゃべりするんですよ。

ところで、撮影には、
超びっくりの秘密が用意されていました。
ヘアメイクの部屋に、ちょっと風変わりな
日本髪チックなかつらが置いてあったので、
『それ誰がかぶるの?』とヘアーメイクのおじさんに聞いたら、
今回のコマーシャルの主役がかぶるんだと教えてくれました。
『主役?』

そして撮影が始まると、何と目の前に 
クリスティーナ アギュレラが登場。
キモノミニドレスを来て、新曲に合わせて踊り始めました。
(このペプシコマーシャルは、
以前ブリットニー スピアーズが出演した時
と同じようにBig Dealなものだったのですーー。)
撮影中、(あーー、目の前にいるのが
日本のスターじゃなくてよかったぁ。)とふと思いました。
なぜなら、私の役は、クリスティーナが目の前に突然現れて、
お目めがどんぐりになっちゃう女の子の役。
相手がヒッキーやあゆちゃんだったら、
ちょっとかっちょ悪いでしょ。
だって、私も一度は日本でスターだった身。(えへへ。)
競争心とかそういうんじゃないけど、
ちょっと変な感じになっちゃいます。
それに私の役、何と16−25才の設定だったのですから。
あははは。
相手がクリスティーナだったので、
(そのうち、私があなたの踊っている位置に立ってみせるわん。)
なんて、やる気をメラメラ燃やしてしまった私でした。(^_^)V

さて話を戻して、
私の気分がグレーゾーンから抜け出せた第2の理由は、
ずっと前にお医者さんに処方してもらった
睡眠薬を飲むのをやめた事。
癖になるほど毎日飲んでいたわけではありませんが、
睡眠のリズムを取り戻そうと思って服用。
でも一度飲み始めると、それを飲まないと眠くならなくなるし、
昼間起きている時、何だか気分がとても憂鬱だったのです。
心に雨雲がかかっているような感じ。
お薬が切れてしまったので自然にやめたのですが、
薬の成分が体から抜けたら、心が軽くなりました。
I like the way I feel now. 

さて、もうひとつの大切な理由は、
10月から、意を決して声のリハビリテーションに通い始めた事。
ずっと心配だったのです。何かが違う、そんな感じで。
しばらくは、まるで唄を忘れたカナリア状態でした。
アセッド リフレックス 
(胃酸が逆流してのどに炎症を起こさせる症状)
なのはわかっていたのですが、
以前は真面目にそれを治療する気もなかった。
なぜなら、それが本当の理由で、
思いのままに歌えないのではないと思っていたから。
確かに、精神的なプレッシャーやストレスも
大きなファクターでした。
夏の終わり頃、喉のドクターとしては権威である、
マディスン リチャードソン先生に検査をしてもらい、
その結果、10週間に渡るリハビリテーションを
家族にしか知らせずコツコツと行っていました。
つい最近、リハビリを”卒業”したばかりですが、
シーダー サイナイ病院
リハビリテーション センターのセラピスト、
ジョアンナには、声だけに収まらず心のケアもしてもらい、
人生において不可欠なレッスンをいただきました。
やはり一流は違います。
私が通ったリハビリセンターのスタッフは皆、
腕がいいだけではく、人柄も素晴らしい。
彼らは私の素敵なお手本です。

そんな中、ここロサンゼルスで、時に大変な思いをしながらも
ずっとずっとがんばって来た、
その努力へのリワード(ご褒美)とも思える仕事が入りました。
私は現在、23年前に日本で演じた
超時空要塞マクロスのリン ミンメイを、
アメリカの一流キャストと共に英語で演じています。
テレビシリーズ全編、新しく生まれ変わります。
マクロスの存在には、
いろいろと複雑な思いを抱いて生きて来た私ですが、
ここへ来て、マクロスが過去のものではなくなり、
”現在進行形”の仕事に。
不思議な事に、その事実ひとつで心が晴れやかになりました。
9月の半ばに、今回のプロジェクトの持ち主である
ADV Filmsから”やってみる気はないか?”
とオファーが来たとき、私には何の迷いもありませんでした。
"YES!!"

20数年前のミンメイを再現するのではなく、
彼女の持ち味を大切にしながら、今だから演じられるミンメイを。
彼女がより一層世の中の人々から愛されるように、私は愛情を込め、
時に涙しながら、ミンメイを演じています。
第一弾のDVDは、1月初旬に発売予定。
1話から5話まで収められています。
今回の企画は、私自身や
私の音楽活動にも焦点を当ててくれています。
(ロングインタビューやコメンタリーも収録されます。)
興味のある方は、是非ご覧下さいね。

さて、肝心の音楽活動は?
声のリハビリ終了と同時に、
素晴らしい腕利きヴォーカルトレーナーと出会い
(私のヴォイスセラピストからの紹介)、
私の声は現在、もしかしたら今までで一番パワフルかも。
子供の頃は知らなかった、いわゆるボーカリストとしての
数々のテクニックも身につけつつあります。
ニューアルバムのレコーディングに入るのが待ちきれません。

皆さん、今年もお世話になりました。
年末年始、健康に気をつけて。
一瞬一瞬を大切に生きて行きましょうね!
Happy New Year!

真理
SF2s.jpg

投稿者 mari : 2005年12月31日 11:16