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2006年2月 6日

第5回 : Gwen Stefani tour - ドイツ & イギリス

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Gretsch Drums Zildjian Cymbals Vater Sticks Gibraltar Racks Remo Heads

成田では、自分達の衣装用バッグ約30個の超過料金が、何十万にもなってしまい、ツアーマネージャーの指示でスタイリスト達はその場で、必要最低限の物だけを選び、他の物は L.A.に送り返す作業を強要される。これで自分のステージ衣装は、何パターンかあったものが極端に減り、ほとんど同じ様な物を着るはめになった。気に入っていた買えば何百ドルもするジーンズなどは、残念ながらこの時に送り返されてしまう。

L.A. から日本へ、やっと時差ぼけが直って来たかと思いきや今度は日本からイギリスへ、British Air で 11時間程かけて移動。イギリスは噂に聞いた通り天気が悪い。やたら曇っている。前もっていろんな人に聞いたイギリスの評判は、飯がまずいと天気が悪いだった。どうやらまず1つは当たっているらしい。

自分は徹夜明けで乗らない限り飛行機の中で、熟睡出来るタイプでは無い。昼頃出発の飛行機が、午前到着。この午前到着というのがくせ者で、東京からL.A.の時もそうなのだが、長時間の移動+時差ぼけで、ものすごく眠いのに朝なのだ。だいたいこういう時は、到着先現地の夜まで我慢出来ずに、寝てしまう。そうするととんでもない生活サイクルが出来て、時差ぼけが直りにくくなる。10年程前、L.A.大地震があった時、(阪神大震災のちょうど1年前)日本から帰って来て2週間時差ぼけが直らなかった。そしてやっとちょうど良い時間に寝れたその日の明朝地震発生。とんでもなく揺れたが、『今起きたらせっかく直った時差ぼけが、、意地でも起きるものか』と思ったが、当時のルームメイトで Mix Recording Engineer の Jun 君が、『みんな大丈夫か?玄関に集合や!!』と叫んだため、仕方なく起きた記憶がある。話がそれてしまったが、それ程飛行機内では、眠るのは苦手である。

飛行機を降りて睡魔と戦いながら、市内のホテルへ移動。Westminster にあるシティーインホテル、部屋はこじんまりしているが、DSL が無料で利用出来たりしてなかなか快適である。チェックインして、シャワーをあびて横になったら当然のごとく見事に寝てしまった。それから2日程オフだったので、ドラムテックの T.S.や FOH の John と市内観光したり、ランドリーを見つけたので、洗濯したりした。そしてドイツのコロンという町に移動。このフライトは短くて2時間ぐらいだったと思う。良く覚えているのが、夜9時頃到着した記憶があるのだが、Tech の3人 Eric, T.S. Luke, が急いで飛行場を後にし、『あいつらはあんなに急いでどこへ行ったんだだろう』と思っていると、『あっ聞いてない?あの3人は、レンタカーを飛ばして、アムステルダムに行くんだって』という返事が、『うーんなんというタフな連中だ、徹夜で遊ぶ気か?』と感心しつつホテルに移動&チェックイン。ここのラディソンホテルは何故かバスルームのシャワーの仕切りが半分しか無く、慣れないとバスルーム中が水浸しになってしまっていた。

そして次の日もオフだったので、市内観光。巨大な教会を見て、後はぶらぶらしていると、いきなり繁華街でテレビのインタビューをされる。『アメリカでは、ブッシュ大統領が当選しましたが、どう思われますか?』『えっ本当に?最悪、信じられない。なんか不正でもあったんじゃないの?』と答えると『いやそうじゃなくてブッシュ大統領に対する応援のコメントを貰えるとうれしいのですが、、』(そんなこと知った事か?)と思いつつ『Go Bush Go!!』と適当な事を叫んでその場を立ち去る。(向こうは爆笑しながら Thank you!! Thank you!! をくり返していた。)

そして次の日 "TV Total" というトーク番組の収録で演奏。スタジオに入り、楽器をチェックしに行くと、注文通りの物は、残念ながら来ていない。

今まで自分の使っているドラムについて話してなかったが、グレッチ Gretsch Drums を使っている。契約した時点では、日本人唯一のエンドーサーであった。ただ世界中何処に行っても、バックラインを準備して貰えるとは、最初から思っていなかった。そういう理由もあって契約の話があった時、少し迷ったのだが、『やっぱり自分が一番最高の楽器をつくっている思っている所と契約しないと』と思い契約書にサインした。今では契約して本当に良かったと思うし、アーティストリレーション担当のキムもマークも素晴らしい。ちなみに今までレンタル出来なかったのは、このドイツのコロンをいれて2回のみだった。

特に、イギリス、フランス、イタリアで使った、アンバーのキット、エボニーのキット、ボストンで使った、パープルのキット、ニューヨーク や ラスベガス で使った、ブルーのキットなどは、もう何回もレンタルして使っている。色が変わるぐらいで音の方は、常に一定している。あの音が何処に行っても得られる。これは使う方にとって、必要な事とはいえそれをクリアしてくれるのは嬉しいことだ。あれは、分厚いダイキャストフープと内側に塗られているシルバーの塗装、(一説にはあれはアルミを含んだ塗装だという噂も聞いた事がある。)が関係していると思われる。

文句を言って仕方ないので、グレッチ抜きで "TV Total" の収録をさっさと終わらせ、翌日再度ロンドンへ移動。午前7時の飛行機でコロンから、ヒースローへ飛び、ホテルへ午前10時半頃チェックイン、そして 正午からの"CD:UK"と、午後3時から午後8時までビートルズなども出演していたというBBC の "Top of the Pops" の収録を全て1日で終わらせ、数日後パリへ移動。

そして事件は起きた。

つづく

Web Site はこちら、http://www.makoto-izumitani.com

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衣装ラック。長年のアメリカ生活で多少の名前のスペル間違えは慣れているが、、、
"Mikato ?誰だそれ!!?"

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TV Total studio in Colongne, Germany

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Top of the pops at BBC studio in London, U.K.

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ドイツ の町中では、地元のテレビ局にいきなり街頭インタビューをされる。

投稿者 admin : 2006年2月 6日 02:28