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2005年11月23日

第3回:Gwen Stefani tour - リハーサル

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Video の撮影が終わり、何日かたったところでグウェンと4人のダンサー達が、リハーサルに合流して来た。今回のリハーサルは、バンド、ダンサー共に一つのスタジオを共有する為、これで全体のスケジュールが変わって来る。

まず 10am からダンサー達と振付け師 Showtyme のリハーサル、 Band は 2pm にスタジオ入りしてバンドだけのリハーサルをする予定だったが、結局 1時間半、2時間程、ダンサー達の作業が終わるのを待つことが多かった。3:30pm, 4pmぐらいになりようやくバンドリハーサル開始、5pmぐらいに Gwen が合流して8pm, 9pmぐらいまで全体のリハーサル、そして場合によってはその後に、バンドのみのリハーサルを行って1日終了といった感じが多かった。

グウェンはまずステージ上のバンドの位置、角度を少し変えて、ダンサー達がより自由に動けるようにした。彼女からバンドに対する要求は、あまり無かった。あったとしてもグレッグがいたおかげで、作業はとてもスムーズに進んでいた。大体彼女が合流してきた時点で、こちらは問題無く演奏出来ている訳で、彼女自身の方が、早くそのペースについて来れるように急いでいたと思う。

よく覚えてるのはある曲でレゲエみたいなエンディングにしようとグウェンから言ってきた事があって。その時に『こう?こんな感じ?最後から2小節目の3拍目の裏から、こんなフレーズで最後のアクセントは、4拍目の8分の裏で良いよね?それとももう1つ8歩音符早めの方がいい?』みたいなことを言ったら、『You are talking to wrong person. I don't know !! (あなた話す相手を間違えてるんじゃない。私には何音符とか何とか、さっぱり分かんないし!!)』みたいな返事が返って来て、とっても可笑しかったけど、そうやってはっきり言えるなんて、いいなと逆に好感を持てた。

彼女のスケジュールはとても忙しく、この時点では、まだアルバムの全ての曲のミックスやマスターリングもまだ終わってなかったし、それに加えて撮影、取材などの数は半端では無かったはずだ。リハーサルに来れなかった日も何日かあった。

その間に、ツアーマネージャーのレイや、グウェンのマネージャーのジム、インタースコープのジミー・アイオヴィーンなどが、リハーサルの様子を見に来る。特に印象に残っているのが、ジミー・アイオヴィーン。彼が様子を見にスタジオに来た時は本当に面白かったなぁ。(笑)

リハーサルの前半、曲を覚えたぐらいのころにギターのキアヌが、ただアルバムに入っている音を再現するだけじゃなくて、ライブ用に俺たちにしか出来ないものをやろうぜ。と言ったのを境に少しずつ自分達ならではのバージョンになるようトライしていった。そしてグウェンがスタジオに来て、自分達のバージョンを聞かせるといつも気に入ってくれた。特にギターのパート、ドラムのパート(特に、アルバムには入っていない、セクションの変わり目にプレイするフィルや、Vocal のフレイズの間に入れる細かいスプラッシュやベルでのアクセント)は、気に入ってくれていた様だった。実際モニターエンジニアにも、もっと生のシンバル、ギターを聞きたいのでレベルを上げてくれと指示を出していた。

ちなみにノーダウトの時は、バンド全体の音量が大きいため、バンドをもっと下げて、ボーカルをもっと上げて、というモニターの注文が普通らしいのだが、「このソロプロジェクトのバンドでは、"バンドをもっと聞きたい"という、いつもとまるっきり逆の注文を出している自分がおかしい。」と言っていた。

リハーサルも後半になってくるとステージデザイナーや各テクニシャンやマニュピレターが合流してくる。マニュピレーター兼キーボードテックのエリックは ホイットニー ヒューストン や プリンス、エンリケ エグレシアス などをやっていた奴で、プリンスに雇われて以来、ミネアポリスに住んでいる。ギター&ベース、テクニシャンのルークはニューヨーク在住、自分の機材をケアしてくれたドラムテックの T.S. は、テクニシャンの中で唯一 L.A. に住んでる奴で、ルークと共にノーダウトのころからグウェンのツアーに参加している。更に彼らをまとめるプロダクションマネージャーのジミー(彼は、ペンシルベニアに住んでいる)そしてモニターエンジニアのケビン (リハーサル時のピルグラムは結局来れなかった様だ。)ブルース スプリングスティーン や シャナイア・トゥエイン などのツアーなどをやっていた FOH (フロントハウスエンジニア)のジョン、彼は元々アメリカ出身だが、現在はなんとオーストラリア西海岸に住んでいて、この仕事の為にロスアンジェルスに来ている。(まあ皆ツアー中は移動してるわけで、普段どこに住もうが関係ないってことかな。)これらのクルーがいて、お互い協力し合ってこそ、これからのツアーが成り立って行くのだ。

続く

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グレッグ カースティン (音楽監督) 2017年と2018年にグラミー賞で、プロデューサー オブ ザ イヤーを受賞。

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ケビン (モニターエンジニア)

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TS (ドラムテック)

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ジミー (プロダクションマネージャー), エリック (コンピューターマニピュレーター), ジョン (フロントハウスエンジニア)


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投稿者 admin : 08:12