Dean Parks インタビュー

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)


スティーリー・ダン、クルセイダーズ、マイケル・ジャクソン、バーバラ・ストライサンドなどの数々の歴史的な名盤の録音に参加している伝説的なスタジオミュージシャン、ディーン・パークス。 ソロプレーヤではなく、ツボを押さえたリズムギターを弾くギタリストとして有名です。 そしてスティーリー・ダンの一連のアルバムにおけるリズムプレーには定評があり、特に、「Aja」 のアルバムにおいての彼のリズムギターとラリー・カールトンのリードの組み合わせは絶品でしょう。 そのほか、クルセイダーズのアルバム、「Free As A Wind」、ジョー・サンプルのアルバム、「SampleThis」などでも彼のギターが聞けます。 AOR系の名盤でのプレーも多く、マーク・ジョーダンの「Blue Desert」、リッキー・リー・ジョーンズの「Pirates」、トム・スノーの「Hungry Nights」(このアルバムではプロデュースも担当)など数えだしたらきりがありません。 またエイブラハム・ラボリエルと一緒に「KOINONIA、コイノニア」という名前のフュージョンバンドもやってたことがあり、そのファーストアルバムの「More Than A Feeling」をコピーしていた日本人アマチュアフュージョンバンドはけっこう多かったと聞いています。 日本のミュージシャンのLA録音にも多数参加(例えば、ユーミン、小田和正、松居慶子、矢野顕子)しています。 

今回のインタビューは7月のNAMM Nashvilleの会場で偶然彼に会い、そこでインタビューのお願いをしたところ、快く引き受けてくれ実現しました。 有名な割にあまり表に出てくることのないこのスーパーギタリストの貴重なコメントをお楽しみください。

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PCI:あなたの名前は多くのアルバムに出てるんですけど、日本では情報はまだ少ないように思います。 今日は少しでもディーン・パークスの秘密が明らかになるといいですね。(笑) 難しい質問かもしれませんが、アーティストの個性、楽曲の素晴らしさを尊重したプレーを求められるセッションの中で、ディーン・パークスという個性を打ちだす工夫はどの様にされているんでしょうか?

ディーン:まずアーティストやプロデューサーがどうしたいのかを察知して、最初は私の好きなようにプレーします。 私の好きじゃない事を要求された時は、じゃ、こんなのはどう?と新しいアイデアをこちらから示すのです。 常にアーティスティックなアプローチをするように心掛けてます。 

PCI:特にスティーリー・ダンのような厳しい、まるで宇宙人のようなミュージシャンとのスタジオプレーではどうだったんでしょう? スティーリー・ダンはセンスが合わなければすぐに違うギタリストを捜すので有名です。 彼等のあれだけ多数のアルバムに継続して参加された訳ですから、物凄いセンスを持ったプレーヤーなんだとは判りますが。

ディーン:確かにスティーリー・ダンとのプレーは大変だったですね。 ドナルド・フェーゲン、ウォルター・ベッカーの2人を同時にハッピーにするのは至難の技。 片方がいいって言うと片方が首を横に振るんですよ。(笑) いつも二つの壁を同時に破らなければならなかったんです。 

PCI:あれだけメンバーが替わる中、あなたの名前はほとんど出ていますね。 面白いエピソードがあったら教えて下さい。

ディーン:「TWO AGAINST NATURE」っていう去年の2月にリリースされたアルバム製作の時の話なんですが、3週間ですべての曲のレコーディングを済ませたんですが、最後の最後でドラムトラックをもっといいものに替えたいという事になり、土壇場で結局最初から全部録り直す事になったんです。 

PCI:音に関しては全く妥協しないって事ですね。 スティーリー・ダンでは沢山のギタリストに同じテイクを弾かせ、その中からいいものを選ぶという話を聞きました。 いつもあなたのプレーが選ばれるという訳ではなかったんですね?

ディーン:そう、「Aja」のPegという曲のギターソロでは、私も含めていろんなギタリストが弾いたんですが、結局ジェイ・グレイドンのテイクが採用されました。 

PCI:厳しい競争なんですね。 お蔵入りのテイクでも凄いのが一杯ありそうですね。 

ディーン:そうだね、でもセッションをやりながら色んなユニークなアーティストと一緒にプレーできるんで楽しいし、そこから新しい人の繋がりも広がるんで続けてきてよかったと思ってます。 

PCI:長い間これだけ多くの仕事をされてきたんで、選ぶのは難しいかもしれませんが、特に印象に残っている仕事があれば教えて下さい。

ディーン:ケニー・ロギンスのReturn To Pooh Cornerに入っているHorsesという子供向けの歌。 これがどういう訳か気に入ってて好きなんです。 アコースティックを弾いてます。 それから、映画「シンドラーズ・リスト」の中の曲で、ジョン・ウィリアムズのなんですけど、そこでソロを弾いてるのが気に入ってます。 

PCI:映画のサントラですか? アコギですね?

ディーン:そうです。 ナイロン弦です。9分の長い曲で映画の中盤に入っています。

PCI:映画の仕事を多くやられているんですね?

ディーン:ええ。 他にジョン・ウィリアムズとの仕事で最も難しかったのは、1997年のRosewoodという映画の仕事でした。 12弦ギターを使い、ジョンの発想に対応していくのはチャレンジでしたね。

PCI:映画の仕事というのは、通常のレコーディングやセッションとどこが違いますか?

ディーン:全ての音符が与えられていて、監督やプロデューサーの意向が強いのでギタリストとして主張できる場は少ないということですね。 ただ、その限られた制約のある中で、プロデューサーを満足させ、かつ自分の個性を出していくのがまたおもしろいことでもあります。 

 
 
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