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2009年7月22日

第35回 日本が世界に伝えるもの

最近ファンが独自で英語に翻訳した日本の漫画を掲載しているサイト(これって著作権侵害ですよね、どう考えても)を発見したんですが、その量と質(プロの出版社並みの仕事ですよこれ)に圧倒されました。 

日本の漫画が世界に与えたインパクトというのは計り知れないものがあります。 趣味に熱心に凝る日本人ならまだしも、そういうところはマメでない欧米人(ま、そうでないのかもしれませんけど)がこれだけの労力を注ぎ込んでやるというその熱中度はすごいと思います。

国際化にともない日本の「文化」というものもより海外に輸出されるようになりましたけど、なにがこっちでウケているのか、それを考えると面白いですよ。 お寿司やお箸の使い方なんかもうかなりの割合の人が知っていますし、カラオケももう完全に文化の一部として定着。

しかしそれ以上に大事だなと僕が思うのは青少年向けの三大メディア、「漫画、アニメ、ゲーム」につきると思うんです。

これらは日本が「本場」の分野。 世界で一番先端をいっているわけなんですね。 しかもこれらが若者に与えるインパクトは大きくなる一方。まだ漫画がアメリカで全国ベストセラーになるほどまでにはいっていませんが、しかしそれも時間の問題だと思います。 感受性が強く、多くを吸収する若者に直接日本がうったえるものがあるというのは本当に大事というか重要なことだと思います。 考えても見てください。 次世代を担う若者たちに日本文化が大きな影響を与えているわけですよ。 このメディアから発信されているメッセージが世界の動向に直接干渉するといっても過言ではないと僕は思います。

で、そこで考えさせられるのは当の日本人がそれを認知しているのか、ということ。 例えば政府がこれらの分野を日本が誇る産業としてサポートし、育んでいるかというとそうではないわけでしょう。 宮崎駿さんなんかもインタビューで「自分の作品が海外で見られているのはわかっているが、自分はそこまで考えず日本人として日本向けの作品を創っている」という主旨の話をしているのを読んだ記憶がありますが、しかし「世界向け」の作品を創らないにしても(そりゃ無理な話です)しかしその反面「これは日本が世界に誇る文化である」という認識くらいは持ってほしいと思います。 なぜなら、そう考えたとき、その輸出しているものの中身、コンテントに秘められているものが本当に日本が世界に伝えるべきものなのか、ということを考慮せずにはいられないと思うからです。

もちろんそんな大げさなことばかりに目がいっては作品創れませんし、「世界向け」なんて重荷を背負ってできたものがいいのかというとそんなことはありません。 ものの創り方は今までやってきたものが今世界で受けているわけですからそのままでいいと思います。 ただこれらが「日本が世界に誇るもの」という自覚が浸透していったらそれが少なからず日本人がこういうものを見る目、またそれらを作る人たちの社会的な地位なんかにも関与するんではないかな、とは考えます。

この中に音楽が含まれてないのはちと残念ですが、それも変えるよう頑張ります。(笑)

投稿者 ari : 2009年7月22日 06:30