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Robben Fordインタビュー (5/5)

「最新CDの情報とフェンダーのロベン・フォード・モデル誕生の秘話」

PCI:もし好きなアーティストを選んでバンドを結成出来るようなチャンスが得られたとしたらどんなメンバーになりますか?

Robben:大変難しい質問ですね。(笑) まずベーシストとしては、ジミー・アールです。 彼のプレーはベストフィールで安心で、且ついつも驚かされる緊張感があります。 ドラムはビニー・カリウタ。 凄いドラマーです。 最近彼とレコーディングをしたところです。 

PCI:先日スタジオでお会いした時のレコーディングですね?

Robben:そうです。 バンド名はJING-CHEです。 ジミー・ハスリップも一緒にやりました。 来年3月頃に、私のソロアルバムが出る前にJING-CHEのCDもリリースされるはずですよ。 Cream/King Crimsonを思い出させてくれるものです。 私のソロアルバムの方は、ブルース、R&Bで、タイトルは「Blue Moon」。 「The Blue Line」の時のメンバーと製作中です。 お楽しみに。

PCI:楽しみにしています。 色々な国で演奏されていますが、アメリカ以外の国々でのオーディエンスの印象はどうですか? 

Robben:これもちょっと難しい質問ですねえ。 なかなか簡単に説明するのは難しいです。 

PCI:それでは、アメリカとヨーロッパと日本のオーディアンスを比較して、大きな違いはありませんでしたか?

Robben:アメリカのオーディエンスについて語るのは難しいんですよ。 この広いアメリカでほんの限られた場所でしかやってないんで。 ニューヨークとロサンゼルスとポートランドでライブをしましたが、私にとってはこの3カ所それぞれオーディアンスの反応は全く違ったんです。 

PCI:なるほど。アメリカは50の異る国の集まりですからね。

Robben:そうですね。敢えて言うなら、正直言って、私がアメリカも含めて世界の中でライブをやるのに最も好きな場所は日本とフランスとイタリアです。

PCI:それはなぜですか?

Robben:まずイタリアについてですが、とにかくオーディエンスは激しく、熱く、ストレートに反応し、感動を表現してくれるんです。 フランスへ行くと、温かい、芸術に対する感謝の気持ちのようなものがオーディエンスから伝わってきます。 イタリアとはまた違うソフトな反応で、音楽に対する尊敬、感謝のフィーリングが返ってくるんです。 そして日本ですが、感覚的に最も大きな尊敬の歓待をいつも受けるんです。 The Blue Lineのバンドで初めて日本のステージに立った時のことですが、ステージへ歩いて行く途中、オーディエンスが大変静かなんです。 全員ステージに到着しましたが、それでも依然として大変静かなんです。 満員の会場で、物音一つせず、シ〜ンと静まりかえっているんです。 何か宇宙へ来たような錯覚に陥りました。 そしてちょっと怖くなってきたんです。(笑)

PCI:それでどうなったんですか?

Robben:それは完ぺきな歓待でした。 誰も何も言わず、私たちの音楽のスペースを邪魔しないように、オーディエンス全員が気遣ってくれたんです。 これは、ミュージシャンが得ることが出来る最大の歓待だと思いました。 一方、アーティストとしては身震いするほどの恐怖でもあります。 ステージに立った瞬間にライトだけでなく、すべての意味においてスポットライトが私に集中するんです。 これはアーティストとして素晴らしい経験でした。 最大限の尊敬による歓待を受け、一方、身震いするほど怖かったという。

PCI:それは大変面白い3つのカルチャーの比較ですね。 

Robben:どこの国のオーディエンスも好きなんですが、特にこの3カ国は大変印象に残っています。 そして大好きな国です。これは決してあなた方日本人にインタビューをされているから言っている訳ではありませんよ。 正直な感想です。 

PCI:有り難うございます。 やはりそう言って頂けると嬉しいです。 次にギターに関する質問ですが、Good Old DaysのUSA製のギター達、オールド・ギブソン、オールド・フェンダー、オールド・グレッチが好きな印象を受けますが、その中でももっとも好きなギターは何なんですか?

Robben:まず1960年のテレを頻繁に使っています。 1954年のレスポールも好きで使います。 素晴らしいギターです。 それから、もちろんロベン・フォード・モデルも使っています。 最初に使っていたプロトタイプは使い切ってしまい、フレットもなくなり手放しました。 今はサンバースト、ソリッド・ボディーのものを現在は使っています。 それからオリジナルモデルの、スプルース・トップ、メイプルネックでエボニー・フレットボードでマホガニーボディーのやつも曲に応じて使います。 音がブライトなんで、いつも使う訳にはいきませんが、この音が欲しいという曲では使うようにしています。 例えば、BBキングのようなブライトな音を出したい時に。あなたの質問への回答ですが、今一番頼りにしているギターは60年テレです。 

PCI:それ以外にもBaker GuitarやSakashita Guitarなどもお持ちですが、新しいギターを選ぶ時のポイントは何ですか?

Robben:2つのポイントです。 プレイヤビリティーとサウンドです。 それぞれのギターがそれぞれいい所あるんです。 一つのギターでプレイヤビリティーとサウンド全ての欲求を満たしてくれれば楽なんですけどね。(笑) 今のところテレをファンキーな曲に使い、ロベン・フォード・モデルをその他メインに使っています。

PCI:ロベン・フォード・モデルと言えば、プロトタイプを最初にデザインしたのはジョン・カルザースでしたね? 1984年でしたっけ?

Robben:1983年でした。 ダン・スミスとジョン・カルザースと私で設計しました。

PCI:それがどの様にロベン・フォード・モデルとなったのでしょうか?

Robben:プロトタイプを創り、売り込んだんだけど誰も買わなかったんです。私だけでした。 6カ月ほど楽器市場に出してすぐ廃盤になったんです。  

PCI:それはロベン・フォード・モデルとしてではなく、別の名前で売りだされましたよね?

Robben:そうです。 確かフェンダー・エリートとか何とかいう名前でした。結局、開発失敗作として廃盤になったんです。

PCI:それがなぜロベン・フォード・モデルとして復活したんでしょう?

Robben:確か1983年だったと思いますが、そのギターを私がアルバム「Talk to Your Daughter」で使ったんです。 で、そのギターを弾いている写真がレコードのカバーに載ったんです。 それで多くの人がフェンダーに電話して「このギターはどこにあるの」ってことになったんです。 4年間廃盤になってたギターですから、フェンダーの担当者も困った様です。 それで、ダンから電話があり、ロベン・フォード・モデルとして復活したいがいいかって聞かれたんです。 それで生産再スタートとなったんです。

PCI:それは興味深いエピソードですね。 次にアンプですが、やはり好きなアンプは。。。

Robben:そう、ダンブルのオーバー・ドライブ・スペシャルです。 1983年からずっとこのアンプを使っています。 バックアップ用に全く同じものをもう1台持っています。 たまに海外のライブでフェンダーツインを使うことがありますが、可能な限りダンブルを使います。

PCI:うちのサイトのファンでTWO-ROCKを使っているという話があったんですが?

Robben:TWO-ROCK? いいえ。 一度頼まれて試し弾きをしただけです。ほとんどダンブルを使っていますし、今後もその予定です。 

PCI:ダンブルのアンプは1982年頃手に入れられたんですね?

Robben:そうです。 最初のは$1,200で買いました。 

PCI:今はレアで随分高価なものになりました。 ダンブルのアンプに出会う前は何を使ってみえたんですか?

Robben:Boogieを数年使っていました。 それからYamahaのアンプもしばらく使っていました。 Yamahaのギターもよく使ってましたよ。 その頃は市場にある色んなものを取っ換え引っ換え使っていました。 そしてダンブルアンプに出会い、ロベン・フォード・モデルに出会い機材が固まっていったんです。

PCI:今年の予定ですが、ナベサダのツアーで12月に日本へ行かれますね?

Robben:はい。 楽しみにしています。 

PCI:ご自分のバンドのツアーも来年は期待できますね?

Robben:そうですね。3月にソロアルバムがリリースされたら、すぐアメリカでツアーを開始し、その後、ヨーロッパ、日本でCDリリース後、日本へもツアーへ行きたいと思っています。

PCI:大変多くのファンが日本でも待っていますよ。 久しぶりですから。 何か日本のファン、うちのサイトの読者にメッセージ頂ければ有り難いです。

Robben:さきほども言いました通り、日本は私がもっとも好きな国のひとつです。 いつも日本へ行くことを楽しみにしています。 The Blue Lineのバンドで来年は日本へ行く予定ですので楽しみにしていて下さい。 ただ日本側でよいプロモーターが見つかればいいですが。(笑)

PCI:楽しみにしています。 今日は長い間本当に有り難うございました。