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飯島真理 2/4

PCI:本当はそういう音楽活動が一番やりたかったんじゃないですか?

真理:そうですね。 アニメのことで凄い有名になっちゃって、音楽活動が本当は先だったんですけど。 デモテープをビクターに送って契約することになってたんですけど、ちょうどその時に「マクロス」のオーディションの話が来て、度胸試しに行ってみようって受けたら受かっちゃったんです。 それで自分が思ってた道とうんとかけ離れた道に進んで行っちゃったんです。 

PCI:それは何年のことでしたか?

真理:私がビクターと契約したのは82年です。 すぐにでもデビューアルバムを作ろうと思ってたら「マクロス」の方が決まっちゃったんです。 だから皆は私のキャリアが声優から始まって音楽に移ったと思ってるんですけど、そうじゃなくて音楽があって偶然同じ会社がサウンドトラックを作ってて私が抜擢されたというのが本当なんです。 600人くらいの女の子の中から選ばれちゃって、私はまったくアニメには関心もなかったし、何ていうのかなぁ、次の日に目が覚めたらアニメの雑誌に私の写真がいっぱい載っててどうしようって感じでした(笑) ようやくほとぼりが覚めてTVシリーズが終わってから「ロゼ」って言うデビューアルバムを83年に出したんです。 坂本龍一のプロデュースで。 教授が初めてプロデュースをした新人アーティストが私だったんです。 このアルバムがトップ10に入ったりして注目を浴びたんですけど、また84年に「マクロス」の映画が大ヒット。 結構いつもそのアニメのイメージとの戦いでした。

PCI:なるほど。 イメージだけが先行しちゃったんですね。

真理:長いこと続きましたよ。 私が自分の曲を書いていることを知らないラジオ局が一杯ありましたから。

PCI:すると、本格的な音楽活動が出来る様になったのはつい最近と言うことですか?

真理:というか、ずっと毎年毎年アルバムは出して来たんです。 6枚目のアルバムからはロスで作ってるんですけど。 もう今回ので17枚目になります。 

PCI:ロスに見えてもう何年になるんですか?

真理:住みはじめて12年です。 89年の5月に引っ越して来たんです。 その前からもロスでCDを作ってはいたんですけどね。 いわゆる私のコアなファンと、それからやっぱりウエストコースト・サウンドが好きな「アドリブ」とかを読むファンっていうのもみえたと思います。

PCI:この二つのファンの方々の層は全く異質ですよね。

真理:そうですね。 だから私のファンとして残ってくれた人達はアニメファンの人達も私のアルバムを聞いて音楽ファンに変わって行ったっていう感じです。 ずっともくもくと続けてきて、ひたすら毎年アルバムを出し続けて来たんです。 一昨年の99年にレコード会社の契約が切れて、それで初めてインデペンデントで英語のアルバムをその年に出したんです。 今回のRight Nowが第二段となります。

PCI:そういう意味では今回のRight Nowは豪華メンバーの協力も得て、英語と日本語が半々だと言うことで力の入ったアルバムですね。

真理:そうですね。 それと87年から同じCo-Producerと仕事をしてきたんですけど、私の元旦那なんですけど、私と彼のチームっていうのが取っ払われた初めてのアルバムが今回のRight Now なんです。

PCI:前のCo-Producer とは長い付き合いだったんですね。

真理:本当に長いんですよ。 だから私はそこから抜け出せないと思ってずっと生きて来たんです。今回、初めてJeffのヘルプもあり「そんな一人じゃ何も出来ないなんて言わないで。 メンバーさえ集まれば曲も書けるし譜面だって書けるんだから全部やれるでしょ。」って感じでやってみたら本当に出来ちゃったっていう所です。

PCI:今回のアルバムは本当の意味での独り立ちされた作品ということですね?

真理:そうなんです。 ま、そういうこと言うと「今までだって自分でプロデュースしてきたって言ってたじゃないの」ってファンの人が言うと思うんですけど。 確かにプロデュースはしてきたんですけど、いつもCo-Arrangerを持ちながらだったんです。 今回は初めて本当に何もかも自分でやりました。

PCI:今回は本当に自分のやりたいことが出来て、またそれをサポートしてくれるメンバーが集まったと言うことですね。

真理:そうです。 でもこれ10年前だったらアメリカのいわゆるスタジオミュージシャンに対してちょっと恐れ多い感じがあったんだと思います。 でもここに住んで長いこと下積みみたいなことを続けて来て、そういう恐怖心がなくなった所で彼等と会ったんでよかったです。

PCI:そういう意味ではこのRight Nowは、過去の成功とかはまったく関係なく、真理さんの実力がアメリカのミュージシャンにも評価され作ることが出来たということですよね。

真理:そうですね。 タイミングもよかったです。 ビクターをやめた後にワーナー系のイーストウエストジャパンっていう所と日本ではやってたんですが、彼等も今回のアルバムを私が頑張ってることを判っててくれて日本でも発売してくれることになったんです。 インポートとしてじゃなく。 アメリカでは一応まず7月10日から私のウエッブサイト(http://www.marimusic.com/)から発売して、日本では9月12日にワーナー系イーストウエストジャパンからリリースされます。