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2003年1月 8日
第2回:FULL-UP TONE POT
前回自画自賛で終わったのはいいけど,肝心の商品ラインナップや価格について何も言ってませんでした。これじゃ宣伝になってないっすね。TURBO BLENDERにはU.S.A.バージョンと,DOMESTIC(国産)バージョンがあって,それぞれ¥8,000と¥6,000です。これらは何が違うのかと言うと,使ってるポットがU.S.A.バージョンではアメリカCTS製のもの,DOMESTICバージョンでは日本製のポットになっているのです。これは別にグレードに差を付けているわけではなくて,使用するギターによって使い分けてもらうためです。FENDER USAのストラトとFENDER JAPANのストラトではもともと使われているポットが違うので,ピックガードにあいているポットの取り付け穴のサイズが違うのですよ。そこでそれぞれにフィットするように2種類のサイズのTURBO BLENDERを用意しているという,まぁなんと親切なラインナップでしょう。
… とまた自画自賛になったところで,今回のテーマFULL-UP TONE POTです。ちょっと電気に詳しい方ならお分かりだと思いますが,ギターのトーン・コントロールはキャパシタ(コンデンサ)の「高音は通るけど,低音は通らない」という性質を利用しています。トーンを絞ると高音がなくなって音がモコモコになるのは,キャパシタを通して高音だけを捨てているからなんですね。で,通常のポットを使ったトーン回路では,回路の性質上トーンが10(フル)であっても,わずかながら高音は捨てられていて,これがギターの音抜けを悪化させていることがあるのですよ。これを防ぐのがFULL-UP TONE POTなのです。FULL-UP TONE POTはフルにした時にトーン回路を完全にバイパスして,無駄に捨てられていた高音域を回復して,ギターの音を元気にします。もちろんトーン・ポットですから,絞っていけば普通にトーンが効きます。FULL-UP効果を発揮するのはフルの時だけです。
実はこのポットにもお手本がありました。80年代のヤマハのSGなどのモデルに搭載されていた“バイサウンド・システム(これ自体はただのコイルタップ回路でしたが)”に使われていたスイッチ付きのトーン・ポット,これがフルにするとトーン回路をバイパスできるようになっていたのですよ。これはナイスなアイディアだと思ったんですが,このスイッチ付きのものしかなくて,そのまま埋もれていたようです。このアイディアをパクった…,いや復活させたのが FULL-UP TONE POTというわけです。そして今ではフェンダーまでNO LOAD TONEとかいう名前で同じ機能のものを売っているじゃあ~りませんか。
FULL-UP TONE POTのえらいところは,使用するギターによって使い分けるため,いろいろなタイプが用意されているところでしょう。現在のラインナップは9種類,値段は¥1,000から¥2,600までです。
詳しくはhttp://lumtric.com/FUVT.htmを見てください。ちなみに,FULL-UP TONE POTはボリュームには使えません。ボリューム用には専用のFULL-UP VOLUME POTがあります。これについては次回お話しましょう。
投稿者 admin : 2003年1月 8日 16:54