Bad Cat アンプはクラスA回路アンプ?

クラスA回路についてまた読者より質問がありましたのでDr.Zに真実を説明してもらいました。 

Bad Catアンプはバイアスされており、すべてクラスA回路であると聞いたんですが、Dr.Zの説明によるとそれは理論的にありえないとの事ですよね。 実際のところはどうなのか教えて頂けますか?

Dr.Z:アンプがCathode Biasedされているからと言ってそれは自動的にクラスAとはいえません。 マーク・サンプソン氏はユーザーに誤解を与えていると思います。 本当のクラスA回路のアンプというもは、一つのアウトプットのチューブアンプでなければなりません。 10 watが、EL-84を2本使う場合の物理的に可能な最大限の出力でしょう。 EL-84を4本使う場合は20 watが限度でしょう。 もしアンプメーカがこれよりもっと大きい出力でクラスA回路と宣言していたとしたら、それは明らかに間違いです。 物理的にまた電気的に不可能だからです。

Bad Catアンプは大変良い音のするアンプだと思います。 ただ、マーケティング上間違った広告宣伝をする事はユーザーを混乱させる事になると思います。 クラスA回路のアンプを作るには、プレートの電圧は200Vと大変低くなければなりません。 一方プレートの電流は大変高く、50mAでなくてはなりません。それがロードライン(Load Line)の中心でチューブをバイアスし 360度伝導出来るようにするのです。 これがクラスA回路のアンプの定義です。 そういう意味において、Matchless, Bad Cat, Vox,そしてDr.ZもクラスA回路のアンプではないのです。 すべてクラスA/B回路(1 Cathode Biased, no negative feedback)なんです。