ニューヨーク、東京で活躍中の
ジャズギタリストがプロの目と耳で
Dr.Z Amp と"RC Booster"を斬る!

by 高内春彦(HARUHIKO TAKAUCHI) 

Photo by Hiroshi Mochizuki (Copyright 2002 Hiroshi Mochizuki)

ハルさんのサイトは↓を参照ください。
http://www.haru-jazz.com/

Dr.Z Amp Carmen Ghia 1 X 12 Combo (Dr. Zのページはこちら

ジャズギタープレイヤーの間ではまだあまり知られていないようですが、一度弾いたらきっと虜になると思います。僕はストレイトアヘッドなジャズプレイヤーなのでクリーンで使うのみですが、18Wというパワーは充分なものです。初めて弾いた時はびっくりしました。クリーンはクリーンでもクランチの一歩手前というか、危ない所の一歩手前の感じがなんとも良いのです。トーンとボリューム以外に何もないのも最高です。Dr.Zの自信が伝わってきます。

ソリッドステイトな設定のアンプでは周波数特性こそいいけど、Carmen Ghiaの迫力、太さ、音圧感はすごい魅力です。マゼラッティ(Mazerati)の余裕のクリーンサウンドも最高ですが、カルマン(Carmen Ghia)の、このぎりぎりの迫力と言うか、大好きです。ライブでも使い心地が良く、太い音してます。
ステレオエフェクト(リバーブやピッチトランスポーズ)の音を自分専用のPAまたはギターアンプステレオから出し、センターにカルマンギアをダイレクトで出してます。最高に良い気分!
この他のセッティングとしては、ギターアンプ2台のステレオのうちの一台としてますが、エフェクト通して使用しても良い音です。SNの良さは特筆すべきものがあります。
真空管アンプを使用してる僕には、特にレコーディングでは、大抵の真空管アンプのノイズには悩まされます。Fanを切る事もあります。エンジニア共々静かなのでニンマリです。(Hi Gainの宿命と言ってる人多いですね。)
もう一台入手してステレオにしようかなあ。
ビバップの仕事の時はもちろんDr.Z一発にギブソン350TかLー5をダイレクトに入力、迫力です。特にLー5が良いみたい。ウェスモンゴメリーが生きていたらきっとこれを使うでしょう。まちがいなし!
1x12をつかう理由はぼくは主にフルアコを使うし、右手のピッッキングスタイルのせいで充分過ぎる低音が最初からあるのでスピーカーは1個がいいのです。(スピーカーが増えると低音域のデシベル値のみが上がっていくのは読者も御承知ですね?)

RC Booster(Xotic Effects USAの詳細はこちら

まず、トゥルーバイパスであることは原音との比較 が容易でそこからブーストの感じをつかむ事、プリアンプとしての使い方が非常に 楽です。そして音質ですが、原音を損なわず音を作れますが、非常に上品で性能の 良いプリアンプとして使用できます。これはエフェクターを使う時には特に便利です。 カルマンギアにギブソンL5や350Tを入力する時Directの方が好きですが、ストラトに 使用してみたら非常に良かったです。シングルのサウンドにもう少し音圧が欲しい時に 便利ですが、その反対にも役に立ちます。早速レコーディングに使いました。
その他にレコーディングに使用したのはギターシタールとフレットレスギターを録音 するときにRC Boosterをプリアンプとして使用してDI Boxから卓に送りました。音質 バッチリでした。(このCDは8/23に発売されます。)
他の使い方もしました。TCのG Majorを持ってますが,これはin / outがバランスになってるので、 ギターから入力するときにRCをプリアンプとして使用しました。原音の雰囲気を損なわずに入力が できるので、いままではDI Boxを使用しましたが、それで損なわれる音圧感を考えるとRCは重宝です。
これ以外のオーディオレコーディング系のラックのエフェクトを使う時にも同じように使用できますね。
これらのエフェクトのメーカーはギタープレイヤーに対してアンプのセンド/リターンやプリと パワーの間に使用する事を勧めていますが、ギタリスト魂をわかっておらず、アンプの 前に使用したいのに...困ったものです。TCなどはコンプまで入っているのにギタープレイヤーが コンプを使用したい場所をわかっていないようです。
RC Boosterはこれらの問題も解決してくれました。これまでのコンパクトプリアンプは優秀なものでも 原音の雰囲気が変わってしまい、そこに付いてるEQで音を作る、ようなものがほとんどですから。
多様な使い道があるので欠かせません。まだわかっていないのは電池が無くなってきた時の劣化がどの程度かぐらいです。