"Best Frets" & "Michael Tuttle Guitars"
Michael Tuttle氏のインタビュー (1/2)


マイケル・タットルです。
今日は僕が作っているギターについてデモンストレーションなどをしながらお話ししたいと思います。

PCI: いつ会社を設立しようと決めたのですか?

2003年の8月です。

PCI: それまでは Don Grosh(ドン・グロッシュ)の工房にいたのですよね?

はい。10年いました。

PCI: ドン・グロッシュの工房ではどういう仕事をしていたのですか?

初期は何でもやっていましたが、後半はネックとフレットワークを特に専門にやっていました。他には組み込み点検など、ギターの最終仕上げをやってました。

PCI: そして自分の工房、Best Frets 社を立ち上げられました。名前の由来はどこからきているのですか?

それはやはり僕がこの業界でベストのフレットを作れるからでしょう。(笑)
どういう名前の会社にしようかといろいろ考えてみたのですが、僕はやはりフレット作りに自信があるので結局Best Fretsにしました。

PCI: あなたの新しい工房での主な仕事は、フレット作りとリペア、そしてオリジナルのギターとベースを作ることですね?

そうですね。ドン・グロッシュに居た頃からのコネクションで、フレット作りと修理の要望も多いですね。

PCI: ドン・グロッシュにいた時は、ドン・グロッシュ氏のスタイルでギターを作られていたのだと思いますが、グロッシュ・ギターとMichael Tuttle Guitarとでは大きく何がちがいますか?

「僕がもうドン・グロッシュでは働いていない。」ということが大きな違いだと思います。過去10年間、ドン・グロッシュの工房で、一緒に働いていた人達に色々と教えてきましたが、僕の技術は他の人にはなかなか真似できないものだと確信しました。

PCI: なるほど。では今のあなたが作るギターに、ドン・グロッシュには無い新しい要素は?

フレットワークは変わりませんが、ナットを合成樹脂からボーンに変えました。ボーンの様に硬い物の方が、やはりクリアーな音が出ます。クオリティーの高いアコギは、サドルもナットも骨を使っているから高音を弾くとクリスタルの様にクリアーな音が出ます。同じように、僕のギターもボーンを使って、クリアーな音を出させます。

PCI: 弾きやすさ、プレイアビリティーを最重要視されていますね?

ギターを手に持ったときに身体にしっくりフィットするかしないか、これはとても大事なことだと思います。しっくりしない場合、それ以上ギターを弾きたいとも思わないので、その時点でいくらキレイにできていてもギターとしては失格です。僕のギターをプレイヤーが手に取った時、これは私のギターだ!と思わせたいのです。

PCI: それは、やはりあなた自身が良いギタープレイヤーでもあるからだと思います。

そう思います。(笑) グレート・プレイヤーではありませんが、グッド・プレイヤーだとは思ってます。

PCI: いまでもバンドでギタ−を弾いてますか?

はい。 いくつかのバンドでプレイしています。毎週土曜日、教会でプレイしている他には、プライベートパーティーやクラブでのギグもやっています。プルース、ロカビリーなどジャンルはいろいろですね。

PCI: 自分でアクティブにプレイすることによって、いいギターを作っていける訳ですね。

いいギターでいいプレイをするのは、僕にとって必要不可欠です。高いギターだからといっていいギターだとは限りません。一般的にやはり弾きやすいギターというのがいいギターの条件と思っています。

PCI: 本日丁度 ナッシュビルで活躍中のプロギタリスト、Erik Halbigもあなたの工房に来ていて会うことができました。彼のようなプロのミュージシャンから直接ギター製作やリペアの注文が入るんですね?

はい。エリックとは10年前に出会いました。 一緒にプレイをしていたのですが、僕の作ったギターなどを見せたら気に入ってくれたので、彼にギターを数本作りました。彼がどんなギターが好きなのかはよく分かっているんです。