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山野楽器 銀座本店


東京都中央区

本店楽器課(4階)島田さん

銀座のお客さんは楽器店に何を求めているのでしょう? 島田さんのお話からそれが見えてきました。


PCI:山野楽器さんは老舗中の老舗ですね。 ここでずっと営業されていたんですよね。

島田:創業115年になります。 

PCI:この銀座本店は土地柄もあって、他のお店とはちょっとお客さんの層も違うのではないでしょうか?

島田:いわゆる渋谷の楽器屋さんと比較すると、バンドマンと言いますか、髪が長くてこれからライブハウスへ行くという様な感じの方はまずいないですね。 

PCI:このエレキギター売り場に限って言いますと、今はどういうお客さんが主流なんでしょうか?

島田:最近テレビや雑誌などで良く言われてますが、やはり団塊の世代の方々、リタイアされた方とかもうちょっとで定年だ、みたいな方が第二の人生の趣味を何か始めようと考えられた時に、やっぱり昔ギターをやっていたという事を思い出される方が多いらしいですね。 そういう方々が良くみえます。 ここ数年は特に年齢層が高い方のご来店が目立ってきています。 これは特にうちの店に目立った特色かもしれません。 

PCI:やはりそういうお客さんが買われる物はギターでも高額商品なんでしょうね?

島田:そうですね。 最近はマスタービルダーっていうシリーズで、要はエリック・クラプトンに作ってる人と同じ人に作ってもらったギターというものがよく売れます。 うちのお客さんではクラプトンのファンっていう方々が圧倒的に多いんです。 

PCI:ここにはそういうフェンダーのギターの中でも特別な物が多く置いてあるという事ですね。

島田:そうですね。 基本はフェンダーのマスタービルダーシリーズっていうのをメインに置いて展開しています。 

PCI:団塊の世代の方々の来店が増える事によって実際に売れる物も変わって来たのでしょうか?

島田:そうですね。 昔フェンダーが日本に入って来たばっかりの頃には、値段が高くてとても買えるブランドじゃなかったというイメージをお持ちの方々が、今は経済的に余裕が出てきて、さぁギターを始めようという時に手が届く様になったという事ですね。 そしてどうせ買うのならば最高峰の物を手に入れたいとおっしゃる方が多いですね。 

PCI:それは銀座ならではのお話ですね。 ギター以外の品物、エフェクターやアンプについては如何でしょうか?

島田:エフェクターとアンプに関してですが、今までのここの売り場っていうのは、ギター本体がメインで、エフェクターやアンプっていうのは変な言い方ですけど、ちょっとおざなりになっていた部分があったと思うんです。 僕がここに入る前ですが、僕もギター弾きで、いろんな楽器屋さんに買い物に行こうという時に、山野楽器は知ってましたけど、レスポールやストラトを買おうと言う時にはお店行ってみようかなと必ず候補に出てくるんですが、エフェクターを買おう、アンプを買おうという時には、渋谷、新宿の楽器屋さんが頭に浮かぶんですよね。 その辺は弱いなって思ってたものですから、僕が担当になった時に、銀座にわざわざエフェクターを買いに来るお客さんってどういう人だろうって思ったんです。それなりに魅力のある、他には無い物であるとかを置く必要があると思いましたし、限られたスペースの中で、洋服で言うとセレクトショップの様な、ある程度チョイスした物を用意しておけば信用してもらえるのではないかと思いました。 今はそういうラインアップになっていると思います。

PCI:島田さんはいつからここのご担当をされているんでしょうか?

島田:2年半ちょっとくらいになります。 

PCI:島田さんの意志がこのエフェクターの品揃えには現れているという事ですね。

島田:そうですね。 今はもう完全に個人的な趣味も入っていますね(笑) 

PCI:そんな品揃えの中にXoticのエフェクターが入っていますが、これはいつ頃からでしょうか?

島田:2年半くらい前に、前任者から引き継いだ時にはXoticのペダルは正直な所無かったんです。その頃すでにACBoosterなどは巷で評判になっていました。僕は以前ギター弾きで仕事みたいな事もしていたんですけれども、以前は3ヶ月経つと歪みのペダルが気に入らなくなって、替えて替えてを繰り返してたんです。 ずっと定まらないっていう時期が続いていたんです。それがですね、とある時にAC BoosterとRC Boosterを買ったんですよ。そしたら、そこから歪みのペダルを探す旅が終わったんですよ(笑)そして、ここの担当になった時に、そのACとRCが無いっていうのはどういうことだ!と思いまして、まずは何よりもACとRCを取り寄せたんです。ちょうどBBも出た頃でしたね。

PCI:有難いお話です。 その後お客さんの反応はいかがでしたか?

島田:最初は正直な所、反応は鈍かったです。 やっぱり渋谷におみえになるお客さんって、きっと、ギターマガジンであるとかデジマートであるとかネットとかで先端の情報を知って買いに来られる人が多いと思うんです。 銀座のお客さんは、特に団塊の世代の方達は、波がワンテンポ遅いんです。 世間ではどーんといってるのに、「これは何ですか?」っていうのが最初の反応でした。 ですから、BOSSのなんとかが欲しい、あるいはBOSSのなんとかを持ってるんだけどちょっと気に入らないとか、そういうお客さんに、頼まれた訳ではないんですけど、「いいからAC、RCを試してみてください」と、そういう事をやっていくうちに、結構浸透していきました。 それから、お客様同士の横の繋がりが意外と強いという事を我々も後から気が付きました。 お客さん同士が情報交換をして口コミで評判が広がって行きますね。 それから他店さんのオンラインショップでは、メーカーさんのキャッチフレーズがそのまま載っていたり、どこのページを見てもどこかで見たような表現が多いようですが、うちのオンラインショップでは、いい意味でも悪い意味でも、個人的な主観を入れて自分の言葉で商品の紹介をしています。 それが良い評判にも繋がっているようです。 

PCI:山野さんのオンラインショップはたいへんわかりやすく、楽しいですね。 オンラインショップの売り上げの比率はかなり高いんでしょうか?

島田:そうですね。 今は半々かへたするとオンラインショップの方が多いかもしれません。 

PCI:高いギターなんかもオンラインショップで売れるんでしょうか?

島田:そうですね。 地方の方もオンラインショップで多く買われる様になりました。 楽器を触らずして、音出さずして買うっていうのはちょっと前までなら考えにくかったですけれど、やはり地方の方ですと近くに欲しい物がないという事が多いですし、最近オンラインの情報が普及していますので、やみくもにうちのサイトだけを見て買われるのではなく、色々なサイトをチェックして情報を吟味してから選ばれる事が多いと思います。 お客さんたちは、商品のターゲットを絞って、画像を見てちょっとわかりづらいのでこの角度のアップを見せてくれとか、こんな風にコメント書いてあるけどこの意味はどういう事なのかと電話でよく突っ込まれる様になりました。 よくあるケースで面白いのは、電話で聞いてもよくわからないと思うんですが、電話でギターの音を弾いて聴かせてくれっていうのもあります(笑) 

PCI:店頭の商品のディスプレイの仕方が他の楽器店さんとかなり違う様ですが、どういう狙いがあるんでしょうか?

島田:改装を今年の3月にやりまして、いわゆる楽器屋さんのディスプレイとは今は違うと思います。 やっぱり団塊の世代の方々とか、銀座にお見えになる方々の事を考えるとまず高級感というのが期待されていますので。

PCI:アンプの方はいかがでしょう?

島田:基本的にアンプもエフェクターと同じ様な考え方でいるんです。 ただ、エフェクターだと物が小さいのでオンラインショップですとかディスプレイなどもどうにかなるんですが、アンプの場合は場所を取るのでやりくりが難しい所です。 まず弊社はフェンダーの代理店なのでまずはフェンダーのアンプを充実させて置かなくてはならないです。 それ以外の部分でやりたい事はやりたいんですが、場所が限られているので難しいのが現状です。 

PCI:パーツなど小物類はいかがでしょう?

島田:ケーブルなんかも今まではちょっと弱かったと思うんです。 名の通った昔からある物をやみくもに並べていただけだったのを、最近は僕も含めてスタッフが積極的に色々なケーブルなどを試す様にして定番は定番で置くけれども、さきほどのセレクトショップという概念でよい物を選んでお勧めする様にしています。 

PCI:島田さんはどんな音楽がお好きなんですか?

島田:僕はなんでも聞くんです。 そもそもは結構ハードロックが好きでしたけど、だんだん年と共に、コードでも今までパワーコードで大きい音を出してればよかったのが、メジャー7とかを使う様になってくると色んな音楽を聴く様になりますね。 結果的に何でも聞くのがとことん行くと、ポップスっていうジャンルになっていきました。いい意味でも悪い意味でも、なんちゃってでしょうけれど、ジャズもロックもブルースも入っていますので、自分がやろうとする物がそういう音楽になってしまいました。 

PCI:昔ACとRCを買っていただいた頃はどんな音楽をやっておられたんですか?

島田:いわゆるポップスですね。 CHAGE&ASKAの事務所の所属バンドだったんです。 ディレクターやプロデューサーが同じ人だったのでああいう音楽に近いものになっていました。 

PCI:スコット・ヘンダーソンもお好きだとお聞きしましたが?

島田:そうですね。僕は一日に一回はPCIのサイトを必ず見ているんです。スコヘンの新しいインタビューなどはまだかと…(笑)

PCI:ありがとうございます。 今後も新しいミュージシャンの情報を載せていきますので、楽しみにしていてください。 本日はお忙しいところ有り難うございました。

山野楽器 銀座本店
〒210-0023 東京都中央区銀座 4-5-6
Tel: (03) 5250-1063
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