Steve Lukatherインタビュー (2/5)

 

TOTOについて

PCI:それではTOTOについて聞かせて下さい。 新作のレコーディングの話が伝わって来て嬉しい限りです。 中身はどんな感じになりそうですか? 

LUKE:今までとは全く違ったレコードになるんだ。 みんなで楽しんで、サイモンの家でレコーディングしているんだよ。 彼の家のリビングルームでプレイするんだ。 彼は本当にグレイトなエンジニアだからね。 

PCI:サイモンのお宅におじゃまして、機材のことや彼のエンジニアとしての楽しい話をお伺いした事があります。 全てあの家でレコーディングしてるんですね? 

LUKE:そう、他のプロデューサーやエンジニアは一切いない。オレ達5人だけでハイスクール時代のように音楽を創ってるんだ。 もう12曲ぐらいレコーディング済んで、多分もう4〜5曲やる事になると思う。 その中からベスト10を選ぶことになるだろう。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

PCI:楽しみですね。 レコード会社はどうなるんですか?

LUKE:今色んな所に見積もりを出させているんだ。 まだどのレーベルになるかは決まってないよ。 SONYとの契約はなくなったんだ。 24年間契約してたんだけどね。

PCI:うちの読者によると、日本ではTOTO=SONYのイメージが強いそうですが?

LUKE:誤解のないように言うけど、SONY Japan は良かったよ。 SONY Franceも大変良かった。 だけどSONY Worldwideになるとムカツクんだ。(笑) 今はアンチ・コーポレーションという感じだね。 だから、もしかしたらテリトリーごとにレーベルが変わるかもしれないよ。 アメリカ、日本、ヨーロッパ、中南米がそれぞれ別のレーベルになるかもね。 

PCI:今度のCDではTOTOの再出発という感じですね。

LUKE:というか、次のフェイズに入ったって事だね。 TOTOは今年25周年なんだ。 25年だぜ。 鏡を見て25年だって言うと一言だけど、この25年間はオレにとって深い深い25年なんだ。 判る? 

PCI:いや、我々には測り知れない色々なことがあったんだと思います。

LUKE:今の息子の年、15才でもう既にTOTOのメンバーとバンドをやってたんだ。 その頃、オレ達はもうスティーリー・ダンの音楽をやってたんだぜ。 ハイスクールのバンドだけど複雑な音楽を勉強してモノにしてたんだ。 考えてみれば凄い奴らが揃ってた。 マイケル・ランドー、ジョン・ピアース、カルロス・ベガ、スティーブ・ポーカロ、ジェフ・ポーカロ、マイク・ポーカロとか。 

PCI:皆同じ高校ってのが凄いですね。

LUKE:こういう連中が金曜日の夜になるとビール飲もうぜって集まるんだよ。(笑) 

PCI:そういうノリで悪ガキ5人がサイモンの家に集まって音楽を創ってるって事ですね?

LUKE:その通りだよ。(笑) 15才の子供達が44才の人間の体の中に入ってるようなもんだ。

PCI:それはある意味素晴らしい事だと思います。 音楽そのものはどうですか? 新作では、今までのTOTOの音楽から大きく変わったんでしょうか?

LUKE:いや、というかTOTOのオリジナルに戻ったという感じだね。 

PCI:ボビー・キンボールも前作から復帰してますものね。

LUKE:ああ、ジェフがサイモンに替わっただけであとはオリジナルメンバーだよ。 だけどプレイは昔と随分変わってるよ。多分作品を聴いたらファンは笑って、「Wah cool!」って言うはずさ。 

PCI:それは楽しみです。 
それからDVDではTOTO4の5.1 chバージョンを製作中との事ですね? 

LUKE:ああ、これは今見ても凄くいいよ。 近いうちに発売されるよ。 

PCI:それ以外に過去の作品のDVD化の予定はありませんか? 

LUKE:オレの二枚目のソロアルバムCandymanがDVDになる話があるよ。 

PCI:日本のファンは過去のライブのDVD化を待ち望んでいる様です。 

LUKE:そのうち出ると思うよ。 でも、あまり昔には戻りたくないんだ。 確かにライブがDVDでビジュアルに楽しめるっていうのはいいよね。 ライブと言えば、オレ達はツアーではほとんど儲からないんだせ。 巨大なプロダクションでツアーをやるんで本当に金がかかるんだ。 ツアーで大儲けしていると勘違いされて、「どれだけ儲けたんだ。」ってよく聞かれるけど、全然儲かってないんだ。 だけど、オレ達はいつどこででもベストなショーを演ろうと心掛けて来たよ。 それだけは自信がある。 そんな25年間だった。

PCI:だからこれだけ熱狂的なファンが未だに日本にはいるんでしょうね。 

LUKE:他にどれだけのバンドが25年間続いている? ほんの一握りしかいないんじゃないかい? 2年前のビルボードマガジンのトップ10を見てみろよ。 彼らはどこへ行ったんだ、今彼らは何をやってるんだ?

PCI:確かに音楽の商品寿命は短くなりましたね。 

LUKE:もの凄く短くなったよ。 新しいバンドが2枚ぐらいCDを出して、売れなきゃそのバンドは終わりさ。 

PCI:レコード会社のマーケティング戦略もそういう傾向に拍車を掛けてますね。

LUKE:そうさ。 ニューヨークやロスでは25才以上でデビューしようものなら、レコード会社に年取り過ぎって言われるだろう。 レコード会社のマーケティングは一部のオーディエンスに的を絞り過ぎてるんだ。 先週のビルボードマガジンを開いてみろよ。 CDを買う人たちの44%は25才から60才までの人達なんだそうだ。 その人達はどんな音楽を聴けばいいんだ。 例えば、オレはいつ新しいCDを買ったと思う? オレは未だにカタログで昔のミュージシャンのCDを買うんだぜ。 マイルス・デイビスやピンクフロイドやヘンドリックスの新しいCDやDVDが出たら買ってたよ。 だけどいつ新しいバンドのCDを買ったと思う? レディオヘッドが最後さ。 彼らはいいバンドだと思う。 だけど他のクールって言われるバンドの音楽をたくさん息子に聞かされるけど、みんな同じに聞こえるんだ。(笑) 

PCI:本物が少なくなっているような気がします。

LUKE:だから今でもオレは毎朝ギターを弾くんだ。 オレはミュージシャンなんだ。 今朝もパット・メセニーと音楽についてメールでやり取りしてたけど、毎朝ちゃんと起きてギターを弾くんだ。 それはスティーブ・ヴァイもエリック・ジョンソンもバン・ヘイレンもラリー・カールトンもオレ達の仲間はみんなそうだ。 朝起きたらまずギターを持ってオレの知らない事は何だ?って新しい事を勉強するようにしてるんだ。 

PCI:そういうギタリストとしての姿勢が多くのファンを魅了するんでしょうね。 うちの読者にもたくさんのTOTOファンがいるんですが、ある熱狂的なあなたのファンからのメッセージを引用させて頂きます。 「日本のファンを代表して言う訳ではありませんが、私たち日本のファンは、いつまでもTOTOとあなたを応援しています。ヨーロッパに気持ちが行っているように思う事もあるのですが、今でもTOTOの一番の理解者は日本人ですよ! 毎年、色々な企画で来日し、感動を呼び起こしてくれるあなたですが、是非ともTOTOとしても毎年来日して欲しいと願っています。」 との事です。

LUKE:有り難う! 別にヨーロッパだけに多く気持ちが行っている訳では決して無いよ。 いつも世界中のファンを気にしているよ。 たった一つあまり気持ちが入っていない国知ってる? ここアメリカだよ。(笑) 勿論アメリカが嫌いとかここにいるファンや仲間をないがしろにするつもりはない。 ただTOTO にとっては大きなマーケットではなくなってしまったんだ。 オレ達はアメリカでは批判的に音楽業界では分類されてきた。 25年間で3000万枚のアルバムを売ってきたのにね。 ここでは静かなんだよ。(笑) 「あ、TOTO?スタジオミュージシャンね。」ってな感じ。 

PCI:日本とは随分評価が違うんですかね。

LUKE:アメリカのタワーレコードへ行ってみろよ。 今でもTOTO1が売れてるんだけどね。 

PCI:日本では未だに熱狂的なTOTOファン、あなたのファンが多いです。 うちのサイトの読者にもたくさんあなたのファンがいて、その中の一人からこんなメッセージが来ています。 「日本各地には、未だにTOTOのコピーバンドがあります。 私の住む青森県八戸市でも、TOTONightと銘打ったイベントが昨年2回行われました。 これからも定期的に行われていきます。 これに参加するメンバーは、パンクからJ−POPまで、TOTOとは関係ないような音楽をやっている人も多いのですが、TOTOの曲に触れ、大いなる刺激を受けています。やはりTOTOは別格なのです。どうか、こんな私たちのためにも、TOTOを発展させてください。」 こんなファンが日本各地にいるんです。

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

LUKE:それはスウィート! 本当に有り難いと思うよ。 他のTOTOのメンバーを代表して心から感謝するよ。 こういう人達がいるからオレ達は音楽が続けられるんだから。 必ず日本には帰るよ。 今年の秋には必ずTOTOで日本中回るツアーをやる。 新アルバムは日本でも夏までにはリリースされると思う。日本はいつでもオレ達にとっては特別な場所なんだ。 トイレにはTOTOというオレ達の名前が書いてあるしね。 忘れることは出来ない国だよ。(笑)

PCI:そりゃ絶対忘れられない国ですよね。(笑)

 

 
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