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Josh Smith インタビュー(2/2)

機材、ダンブルサウンドとライブ活動について

Pci: 今のあなた自身の音楽活動はどういうものですか?

Josh: 今時間がないです。ここ一年は、家にいる時間が一番長くても一週間半とかそういう感じですから。リッキーとの仕事が一段落付いたら次の仕事を取ることができると思います。ロスのスタジオシーンにも入り込みたいですね。

Pci: あなたの機材についてお話してもらえますか? メインのギターは何ですか? 

Josh: メインのギターは15年間愛用しているストラト。これはもう自分の一部のようなもの。今まで沢山のギターを使ってきたけど、やっぱりこれが1番です。

Pci: 何年のものですか?

Josh: 1989年で、何でかは分からないけどぴったりくるんですよね。他のギターを見つけて、「これいい!」って思った時も、結局はこちらの方がいいって戻っちゃうんですよ。でもつい最近ギブソンの335を手に入れたんだけど、これも気に入っています。

Pci: アンプは?

Josh: Riveraをずっと使ってきました。10年ぐらい使っていると思います。最近Fuchs Ampを試し気に入りました。

Pci: 先日Paul Riveraさんにインタビューしたんですよ。とてもナイスガイですよね。

Josh: ワンダフルな人です。リッキーのツアーの場合いつも飛行機に乗ってばかりだからアンプは持って行けないんです。アンプはいつもレンタルでフェンダーのTwinなどを使っています。でもAC Boosterがあるので旅先でどんなアンプに当たっても大丈夫です。

Pci: とても太いゲージの弦を使っていますね。サイズを教えて下さい。

Josh: .013, .017, .026 (plain steel), .036, .044, .056 (round wound)です。もう10年くらいこのゲージです。これに慣れてしまってね。楽しんでやっていることだけど、ギターを弾くことは仕事でもあるから、思いっきり汗をかきながら弦を掘って弾く感じがいいんです。その分集中しなくちゃいけないし、この感じが好きなんです。 それにトーン。これだけ太いとトーンにかなり違いが出てきます。

Pci: うちのビルダーがとても驚いていました。ここまで太いものをつけたのは初めてだって。

Josh: 知らない人が自分のギターを手に取ると、「ワオ! これ何かおかしいぞ。」って言いますよ。チョーキングできないって。(笑)。

Pci: 影響されたギターリストやミュージシャンは?

Josh: 小さい頃は、Albert King、Freddy KingやB.B. Kingなどの昔の人達で、Allman Brothers、Wayne Allman、Dicky BettsやClaptonなんか、とても好きでしたね。Stevie Ray Vaughanを初めて聴いた時は12才だったと思います。誰かが彼のビデオをくれたんですが、あれには目覚めさせられました。本当に自分を次のレベルに押し上げてくれました。それからもっとギターに入れ込むようになりましたね。その後ジャズとかフュージョンをもっと聴くようになって、Scott HendersonMichael Landauのようなミュージシャンも聴き始めました。そして、Danny Gattonにすごくはまりました。今では一番好きなプレイヤーです。どんなスタイルも弾けて、どれも自分の味を出していますね。ストレートなジャズを弾いていても、お構いなしにブルーグラスやバンジョーのリックを入れちゃうんですよ。いつでもなんでもプレイしちゃうんです。僕のギターに対するアプローチを変えちゃいましたね。その後バンジョーのようなフィンガーピッキングも使い始め、自分のブルースのスタイルに取り入れて、Robben FordとScott HendersonとStevie Ray Vaughanを混ぜたようなフィンガーピッキングをやり始めました。これは今自分が一番気に入っているスタイルです。

Pci: Danny GattonはJoe Bardenのピックアップを使っていましたが試したことはありますか?

Josh: Joe Bardenピックアップが付いているストラトを持っています。

Pci: あなたのストラトに付いているんですか?

Josh: メインのストラトにじゃないけど、もう1つJoe Bardenのが付いてるのを持っています。とてもかっこいいですよ。ちょっと慣れるのに時間がかかりますけど。ストラトのピックアップの音じゃないですよね。本物の音はするけどHumbuckerだから死んだように静かで、やっぱりアウトプットが大きいです。自分の太い弦だと特にそうだから気をつけないとうるさ過ぎてしまいます。今テレを持っていなくて、Danny GattonのようなJoe Barden付きのテレが欲しかったんで、もしテレを手に入れたらまたJoe Barden Pickupを操ってみたいです。

Pci: あなたとはLarry Carltonのショーでもお会いしましたがお好きなんですね?

Josh: ずっと彼の音楽は聴いていますが、彼の前回のアルバムSapphire Blueは特に好きです。ストレートなブルースでとってもいいですよ。ダンブルアンプの音ですね。

Pci: ダンブルの音がお好きなんですね。

Josh: かなり好きですね。最近何回か弾く機会ありましたがあの音は忘れられません。

Pci: AC Boosterを使うとダンブルの音に似ると言われたことがありますが、本当だと思いますか?

Josh: うん、特に335を使うとそうですね。自分のやり方だとLarry Carltonみたいな音が出せます。AC Boosterのゲインをずっと下げてボリュームをかなり上げます。Humbuckerだとそれでもオーバードライブなので甘く歌ってくれるんです。自分はそうやってAC Boosterでダンブルサウンドを出しています。

Pci: あなたのブルースバンドでは歌も歌って作曲もしていたとおっしゃっていましたよね。

Josh: 出した4枚のCDに入っている曲は全部自分で創りました。

Pci: それらのCDは、まだ購入できますか?

Josh: 自分のサイトを通して購入できます。

Pci: 誰か注目しているミュージシャンはいますか?

Josh: うーん。あんまり若い人達は知らないんですよね。新しく発見した人は1人います。Johnny Hilandです。最近まで彼のこと知らなかったんですよ。彼はDanny Gatton風でDannyよりもっとブルーシーだけど、とてもいいですよ。正直言って最近あまり新しい人を聴いていないんですよ。悲しいことですが、あまり今のロックシーンにはギター上手い人があまりいないです。エリート気取りしている訳じゃないんですが、せめてある程度弾けないギタリストでないと好きになれないんです。分かりますよね? 今出ているバンドはみんな同じ感じがして。

Pci: 最近スタジオをロスで経営していくのは難しくなっていると聞きます。ミュージシャンが演奏してレコーディングすることは激減し、Pro Toolなどで簡単にCDができてしまう様になった影響もあると聞きます。レコーディングのデジタル化についてどうお思いですか?

Josh: 数年前に自分のレコードを録音していた時はみんなアナログでやりました。それが自分で出来る一番の方法でした。でもここに住み始めて、知り合った友達の多くがProToolsを自宅に持っているのを見ると、便利なのはよく分かります。自分も欲しいですよ。自分のサウンドとアイディアをいつでも簡単に録音できるということは大変便利です。でもProToolsなどのせいで、才能がなくてもレコーディングアーティストになれるということが可能になりましたね。何でもProToolsやミックスで直せるようになってライブパフォーマンスがダメージを受けています。レコード会社はアーティストと契約したら大金を使ってプロモートします。極端な話、歌が歌えても歌えなくても構わないんですよ。何回かテイクを録音して切りまくり、1つにまとめ、ピッチも直して全部パーフェクトにしてCDにしちゃいます。それでライブとなると全くダメですよね。そういうビッグネームの人達をこの目で何人も見てきていますから、これは本当のことです。ひどい人はテープで口パクか、歌っていてもライブではピッチ合わせられない。経験がないからライブは本当にひどいもんですよ。自分はバーなどに通い、いろいろな歌をカバーしながらライブ経験を積み学びました。そうすることによってバランスのとれたミュージシャンになれたし、技に磨きをかけられたと思っています。ミュージシャンとして一番大切なことは、ライブでどう出来るかということじゃないでしょうか?完璧なCDを出した後でライブをしても、CDみたいに歌えないということは悲しい事だと思います。

Pci: 最近、皆があまりライブに行かない理由はそれだと思います。ライブに行ってもがっかりすることが多いんですよね。

Josh: そうですね。特に踊りながら歌う人は自他共に歌っていないことを認めちゃってますからね。ダンスが激しいから別にいいでしょうってね。観客もショーを見に来ていて、歌を聴きに来ている訳じゃないから気にしてないって。それはそうかもしれないけど、それじゃ悲しいと思います。

Pci: 同感です。今日はどうもありがとうございました! (9/8/2004)

Joshのデモ演奏の映像はこちら。必見です!
LA郊外のCafe Boogalooでのライブの画像はこちらです。