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Jimmy Earl インタビュー (3/4)

 

Los Angelesとチック・コリアとの出会い

PCI:ベースはもう体の一部みたいなものですね。 では、チック・コリアとの出会いを思いだして頂けますか?(笑)

Jimmy:モントリオールのジャズフェスティバルでチック・コリア・エレクトリック・バンドと出会い、顔見知りになったんだ。 フェスティバルでは一緒にディナーも食べたしね。 

PCI:その頃はスタンリー・クラーク・バンドでベースを弾いてたんですね。

Jimmy:そう。 そしてロサンゼルスに引っ越してから、しばらく暇な時期があった。 その頃ワーウィック(Warwick) のベースクリニックをよくやってたんだよ。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)

その他にも仕事を探している時に、ジョン・パティトゥッチ(John Patitucci)から電話があったんだ。 彼はエレクトリックバンドを辞めるつもりで後釜として僕も候補にあがってる事を教えてくれたんだ。ある日Baked PotatoでGIGを演ってたら、チック・コリアとマネージャーがやって来たんだ。  そして一番後ろの隅に座ったんだよ。 分かるよね。 

PCI:分かります。(笑) あのベストシートですよね?

Jimmy:そう、そして僕のプレイをずっと聴いてたんだよ。 で、次の日にチックから電話があったんだ。"We want you! "ってね。 それでジョンの替わりにベースをやることになったんだよ。 

PCI:結局チック・コリアとは何年仕事をしたんですか?

Jimmy:約3年だね。 

PCI:印象深いエピソードなどありますか?

Jimmy:その頃ヨーロッパツアーはタイトスケジュールで、1週間GIGを演って1日移動日、そしてまた1週間GIGの繰り返しだった。 そんなある日、イギリスで飛行機のエンジントラブルがあったんだ。 離陸直後に緊急着陸して、大急ぎで非常口から脱出したんだよ。 DC9だった。 それ以来、今でも離陸する時は手に汗をびっしょりかくんだ。

PCI:それは怖かったでしょうね。 それでは最近の仕事についてお聞きしたいと思います。 キーボードプレイヤーでは最近ジェフ・バブコとの仕事が多い様ですが、ベースプレイヤーから見たジェフとは?

Jimmy:ジェフは僕の大変好きなキーボードプレイヤーの一人だ。 彼がプレイする時のエネルギーは大変ポジティブなんだよ。 そして彼は音楽については生き字引きなんだ。 びっくりする程ジャンルを問わず何でも知ってるんだ。 みんなが忘れてしまった70年代の古い、でも良いトーンはしっかり覚えてる。 プレイヤーとしても彼のエネルギーとリズムとノリにはいつも刺激を受けるね。 そしてどんな音楽でも彼はこなす。Cecilia Noel & the Wild Clamsっていうバンドでは彼と一緒にサルサを演ってるし、ロベン・フォードのバンドでは一緒にブルースを演ってる。 それ以外にもフュージョンバンドやジャズバンドでよくBaked Potatoで一緒に演るしね。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)

PCI:ジェフはどんな音楽も素晴らしいプレイでこなしますね。

Jimmy:それが彼の凄いところで気に入ってるところさ。 

PCI:最近ではコリン・ヘイ (Colin Hay)ともライヴをされてますよね?

Jimmy:ああ、彼も素晴らしいアーティストだね。 コリンとのライヴもキーボードはジェフだった。 

PCI:コリンとのライヴもそうですが、それ以外でもToshi Yanagiとジェフの3人で、一緒に仕事をする事が多いようですね。あなたから見たToshi Yanagiはどんなギタリストですか?我々の知る限り、ロスで最も活躍している日本人ギタリストの一人だと思うのですが?

Jimmy:そうだね。 コリン・ヘイの時もToshiが一緒だったしThe Beast from the EastのGIGではToshiとMakotoと一緒にプレイしたよ。Toshiはファンタスティック! この5年間で彼はギタリストとして凄く成長したよ。 いつもすべての事に前向きなんだ。 いつもベターなプレイをするようにトライしているのがよく分かる。 特に彼のリズム感は素晴らしいよ。そしてエフェクターを実に効果的に使うよね。 それも大変クリエイティブに。 最近では彼のソロはよりメロディアスになり、素晴らしいアーティストに成長したと思う。 実は最近彼の事をトシートって呼ぶんだ。 彼は僕の事をジミートって呼んでるんだよ。

PCI:スパニッシュネームで呼び合うんですか?(笑) 

Jimmy:ああ、一緒にサルサバンドでプレイしてるんでね。 トシート & ジミートさ。(笑) 

PCI:ロベン・フォードにインタビューした時、彼が最も気に入ってるベーシストの一人として、あなたの名前をあげていました。 また最近のロベンのツアーでもジェフ・バブコと一緒にプレイされてますよね?

Jimmy:ロベンがそんなこと言ったの? 嬉しいね。 ロベンのツアーは最高だったね。 

PCI:ロベンのギターテックのジェフ・リヴェラによると、この4人、つまりRobben Ford, Jimmy Earl, Jeff Babko, Tom Brechtlein がベストメンバーだとコンサートのあとにしみじみ言ってました。

Jimmy:全くその通り。 僕も楽しかったよ。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)

PCI:House of Bluesのライヴを見ましたが、本当に素晴らしかったです。 こんな素晴らしい演奏ができるんだからもっと長くツアーをやってくれればいいのにってロベンのギターテックのジェフがぼやいてました。 さて、ミュージシャンとして一番影響を受けた人は誰ですか?

Jimmy:ジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)かな。 Weather Reportの Night Passageは素晴らしいね。 今でも時々聴くよ。 でも最近では、シンセサイザー・ベースに影響を受けているんだ。 キーボードプレーヤーが弾くベースが大変おもしろいんで、それをこのベースギターで弾ける様にとトライしているんだよ。