第13回目:Help Me!

近頃、アメリカのポップアイドル達の動きが華やかで楽しい。
女性では、サンタナのアルバムに登場、全くひけをとらずに
堂々と歌うミッシェル ブランチ。
少年から大人へ変化を遂げた、2人の男性シンガー達からも目が離せない。
インシンクのジャスティン ティンバ レイクと
バックストリートボーイズのニック カーター。
近頃、二人とも初のソロアルバムをリリースしたばかり。
ジャスティンは、多くのヒップホップ系アーティスト達と共演、
R & B路線を突っ走る。
曲中で語りかける彼のモノローグが何とも少年っぽくて、
私はちょっと聞いているのが照れくさくなってしまうのだけど。(笑)
その対向線を行くように、ニックは、ロックの王道といった感じの音で決めている。
私はニックの"Help Me"という曲にはまってしまった。
一度好きになると、私はその曲をくり返し聞きまくる。
キャッチーで心を打つポップソングを書くのは、簡単そうで難しい。
この曲は、そういう意味では本当に良くかけている。
私からすれば、文句のつけようがないという感じかな。
ここ数年のハードワークが原因かどうかはわからないけど、
ニックの声はかれている。どの曲も、しぼり出すように歌う。
喉、声のメインテナンスはかなりやっかいで、
つやのある声を長年保持していくのは、至難の技とも言える。
現在活躍している中堅 ベテランアーティスト達の中にも、
声を転がす事に苦労を感じている人々は少なくないと思う。
私はニック カーターの熱狂的ファンというわけではないけれど、
お母さん的な、お姉さん的な立場から、
彼の声の事は少し心配になった。
エッジに立たされた仕種で、無防備に"Help Me"とシャウトする彼。
自信とインセキュリティーが背中合わせの彼の表情が
女の子達を熱狂させるのね。とってもわかる気がします。(笑)

さて、私といえば、
11月7日に、以前からお話していた"Mari Iijima Sings Lynn Minmay"
というアルバムが発売になり、ビクターからのお知らせだと、
オリコン アルバム チャートで初登場53位という事らしい。
ビクターのスタッフはもう少し上位に持っていきたかったらしいけど、
私としたら、大健闘なんじゃないかと思う。
長い事チャートに登場していなかった事実を考えあわせれば、
なかなかがんばったよね。
この場をお借りして、このアルバムを応援して下さった皆さんにお礼を言います。
スタッフの皆さんも、お疲れさま!引き続きがんばりましょう!

来年は、私のデビュー20周年の年。
そういう意味でも、音楽的に動きのある年にしたいという事は、
日頃からスタッフ達と話をしていて、年間スケジュールも
ほんわかだけどすでに立てている。
もちろん、アルバムをインディペンデントで制作リリースし、
それをひっさげて日本でツアーという事を考えているのだが、
正直、次にどんな音楽をどのようなコンセプトでやろうか、
アイディアはいくつもありながら、なかなかまとまらなかった。
私は自分で言うのも変だけど、結構何でも出来る。
実は絵も描くし、やれと言われれば野球もやる。
こうしてコラムも書くし、子供達の髪も切る。
音楽についても同じで、次のアルバムをバリバリのテクノにする事も可能、
もしくはクラシックにまとめる事だって出来る。

音楽は、生まれた時からそこにあって、
私の脳みそにまるで情報がインプットされていたかのように、
私はあらゆる選択の機会に、音楽を選んできた。

音楽と真剣に向き合い、アルバムを作り続け、
それでも、音楽家としての正当な評価(この言葉も曖昧だけど)
がなかなか得られず(と、私は感じていた)、精神的に辛い時期もあった。
ここ数年は、 " I'm burned out !!!!!!" と
絶叫したくなる日も少なくなかったかな。(苦笑)
でも、これももう過去の話。

私は今、本当にやりたい事があって、
その目標の実現に努力努力の日々である。
それが、音楽から離れたところにあるという事がきっかけで、
最近突如として、曲を書く事が趣味のように感じられるようになった。
こういう感覚は、高校生の時以来かも。
ご存知の方もいらっしゃるかと思うが、
私のデビューアルバム"ロゼ" に収められている曲達は、
全て、私が高校生の時に書いたものである。
クラシックピアノの猛練習の合間に、
息抜きの感覚で好きな人にあてて書いた曲達だ。

つい数日前、真夜中の空から百万の星が降ってきたような感じで、
自分の中の音楽が解放された。
歌いたい事だけを、伝えたい人だけのために書く。
次回はそんなアルバムになりそう。

ところで、私は10月27日に、ブロッコリーのイベントに出演。
9000人の観客でぎっしりの横浜アリーナで歌った。
数カ月前から非常に緊張してその日をむかえたのだが、
なんとか難曲 (笑)"Eternal Love 光の天使より"
も最後まで歌い通す事が出来、自分が思っていた以上に
思いきり楽しんでパフォームする事が出来た。
大きい舞台は気持ちいい!
ブロッコリーのスタッフ方々、お疲れさまでした。

それから、、、、
先ほどからお話しているアルバム
"Mari Iijima Sings Lynn Minmay"に収められている
"Why"の弾き語りライブがインターネットで見れます。
詳しくはこちら!お楽しみに。

MACROSS THE TRIBUTE LIVE on internet
http://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/macross/

今回は横浜アリーナで歌っている私の写真をご覧下さい。



写真提供 株式会社 ブロッコリー

それでは、来月までお元気で。
11月16日 飯島真理

(真理さんの今までの連載はこちらまで)