第30回目:Life Goes On

今年は時の流れが例年以上に早く感じます。
友人に言わせると、年をとればとるほどそうなっていくのだそう。
何だかいやーーな情報ですね。(笑)

私の息子が、今、グラミーが主催する音楽キャンプに泊まりがけで行っています。
(キャンプと言っても、山歩きなどのキャンプではないですよ。
サマースクールの別名とでも考えていただきましょう。)
オーディションテープを送り、作曲能力を認められた若者達だけが
参加を認められる無料研修キャンプなので、
scholarship(奨学金) をいただいたと同じ事です。

毎晩12時を過ぎてから、充実した疲れをともなった声で
彼は電話をかけてきます。
夕べも”ランチとディナーの時間以外は、一日中作曲をしていた。”
と報告してくれました。
彼は、フィルム&テレビスコア作曲のコースに属しています。
そのコースには、ほんの9人だけ全国から選ばれました。

日頃から”Mom, I really want to be a musician."と言っている彼。
そして彼はこう付け加えます。"But, can I make it?"

子供達は、生まれたばかりの頃から、レコーディングにツアーにと、
私と一緒に仕事場を駆け回ってきました。
彼らは、私が何千人もの前で歌っている姿と、
ほんの数百人の前で歌っている姿の両方を観ています。
スターダムの光と影を、そして、その甘ずっぱさや痛みを,
私と共に経験しています。
(私が今でもぴっかぴかのスターだったら、子供達に、
彼らの将来についての心配をかけずにすんだのになあ。)
時々そんな事を思い、ちょっと悲しくなります。

私たちのようなポップ シンガー、シンガー&ソングライターは、
もちろん才能がある事も大切だけど、やはり人気商売です。
そして、その成功は、取り巻く人間関係にも大きく左右されます。
いい時はいい。
でも、自分が成功を収めたなと思った途端に
次から次へと新しいスターが生まれ、
I Made It !! という絶頂感とその余韻は、
時が流れると共に、厳しい現実となって自分に襲いかかります。

(もっと数年前から、自分の今後の計画を立てておけばよかった。)
最近は、いわゆる一般的な仕事を余裕でしている友人達を横目に、
ふとそう考えます。
彼らは、あと20年くらいそのまま仕事をしてリタイア。
その後は穏やかにゆっくり暮らすのだろうなあ。

子供達はあと3年もすれば大学生。私の元も巣立つでしょう。
今から考えても仕方ないけど、めちゃくちゃ淋しくなるのは確実。
彼らこそが、私がロサンゼルスに居続けた最大の理由なのだから。

子供達には、好きな事を思い切りやってほしい!
音楽家になりたいのならやるしかない。
親としては、弁護士なのか心理学者なのか、
ちゃんとした資格も身につけて、それで音楽をやってほしいと願ってしまうけどね。
(これを親心と言うのでしょう。笑)
でも、フィルム スコアの仕事なら、私達ポップスをやる人間のように
流行り廃りににまつわる苦労はしなくてすむかも。うん。そう願う。

何とかなる、何とかなる!と今まで自分を引っ張ってきました。
もしかしたらここが限界かも。もしかしたらまだ頑張れるかも。
今はそんなところですね。

一見華やかなショウビジネスの世界は、厳しい現実と背中合わせでもあるという事。
もちろん、大ヒットをががががーーんとおさめて、
一生仕事をしなくてもいいくらいすでに稼いだ一部のアーティスト達はのぞいてね。
運も実力のうち。私は彼らを尊敬します。

そうそう、今日はちょっとシビアな内容だったけど、
前向きな出来事もいくつかはあるんですよ!

昨年リリースした自主制作アルバム2枚が、
ようやく7月の終わりに日本で発売になりました。
Gems (DDCZ-1150)
Wonderful People(DDCZ-1151)
両アルバムとも 価格:¥2,000(税抜)¥2,100(税込)

それから、私が主演の一人を演じた短編映画”緑色の涙”が
東京で8月7日からアンコール上映されます。

<上映作品>
「Green Tea-r 緑色の涙」 29分
「White Shadow 白イ陰」 17分
 NEW 『メイキング オブ Green Tea-r 』10分
場所: 短編映画館 下北沢トリウッド
上映時間: 1)15時〜 2)17時〜 

最後に。
ロサンゼルスのダウンタウンで行われる
”二世ウイーク”のゲストとしてライブをします。
August 13 (sat) 2005 from 4 PM
at Weller Court in Little Tokyo
123 Astronaut E S Onizuka St,
Los Angeles, CA 90012
こちらは入場無料ですので、是非遊びに来て下さいね!

では、また会う日まで。お元気で。



6月だったかな。
息子(アンディー=バイオリンを弾く)の演奏会に付き添いで行きました。
姉貴に見えると言ってくれ〜〜〜!!

 

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